2021年03月25日 11:48 公開

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は24日、イースター(復活祭)期間中にも新型コロナウイルス対策の厳格なロックダウンを実施するとした、前日に発表した計画を撤回した。

メルケル氏は、計画は「間違い」だったとし、方針を180度転換することについて「最終的な責任」を取ると述べた。

ロックダウンの計画は、22日に夜通し続いた各州首相らとの協議で合意されていた。イースター期間の来月1~5日には、制限をより厳しくする内容だった

ビジネス界のリーダーや科学者らは、この計画を批判していた。

メルケル氏と州首相らは24日に緊急協議を開き、方針転換を決めた。

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BBCのジェニー・ヒル・ベルリン特派員は、メルケル氏の撤回発言は異例だと説明。パンデミックの第1波では、メルケル政権の対策は国民に高く評価されたが、ロックダウンをめぐって地域の不満が高まると、政府の対応は混乱の度を深めたとした。

その上で、メルケル氏が国をまとめ続けるのは難しくなっているようだと解説した。

計画の中身

撤回された計画では、来月1~5日、これまでで最も厳しい制限が実施される予定だった。

ほとんどの商店が休業し、集会は限定されるはずだった。国民は家にとどまり、他の人との接触を減らすよう求められることになっていた。対面での宗教儀式は中止となり、大規模な家族の集いも禁止される予定だった。

メルケル氏が所属する与党・キリスト教民主同盟(CDU)のアルミン・ラシェット党首は24日、地域の議会の会合で、ロックダウンについて、「この形では実施できない」と発言した。

メルケル氏は同日、ベルリンで記者団に、「この過ちは私に全責任がある」、「今回のことで、事態が分かりにくい不確実な状態が増してしまった。全市民には、許していただきたいとお願いする」と述べた。

「この経緯にはもっともな理由があったが、この短期間にうまく実施に移すことはできなかった」

ドイツの状況

メルケル氏は23日に計画を発表した際、「私たちは新しいウイルスに直面している」と警告。

イギリスで特定された感染力の強い変異株が主流となっており、「新たなパンデミック」が発生していると説明した。

メルケル氏はまた、「この変異株は致死率が高く、感染力が非常に強く、かなり持続する」とし、ドイツのワクチン接種は時間との闘いだと付け加えた。


ドイツの感染率は、政府が制限強化などの判断基準としている10万人当たり100人を超えている。現在の規則では、この基準を7日間上回る地域は、制限を緩和できない。

感染状況の数値はこうした状態だが、来月初めからの5日間のロックダウンと、イースターの教会礼拝の禁止が発表されると、宗教界の指導者たちは失望を表明。社会的距離を保つことで、教会の礼拝は安全に執り行えるとした。

24日になってメルケル氏が方針転換を発表したことを受け、ドイツのカトリック教会組織は、安全対策を取りながら礼拝を実施すると明らかにした。教会に足を運びたくない人のために、オンラインで中継もするとした。

方針転換は、小売業界にも歓迎された。業界団体は「今日の決定で、コロナウイルス政策に理性が少し戻って来た」との声明を出した。

ドイツでは部分的なロックダウンが実施されており、最短でも来月18日までは継続される。

(英語記事 Germany reverses plans for strict Easter lockdown