2021年03月26日 11:32 公開

ジョー・バイデン米大統領が25日、ホワイトハウスで就任後初の本格的な記者会見に臨んだ。米・メキシコ国境へ押し寄せる移民の急増や、新型コロナウイルスワクチンの接種状況、対中関係などについて、約1時間にわたり記者団の質問を受けた。2024年大統領選で再選を目指すかという質問には、「そのつもりだ」と答えた。

バイデン氏は会見の冒頭で、新型コロナウイルスのワクチン接種事業について、就任前の公約を倍増させると宣言。就任100日以内に当初目標とした1億回ではなく、2億回の接種を実施すると表明した。

この目標は「野心的」だが可能だと大統領は述べ、「世界のどの国も、これには到底及ばない。これに近いことさえできていない」と強調した。

アメリカではすでに1億3000万回の接種が実施されているものの、人口比で比較すると一部の国に遅れを取っている。1日の接種は約250万回に上るという。

バイデン氏はこの接種事業の拡大を冒頭から強調したものの、記者団からの質問は、メキシコとの国境に集まる移民の急増についてのものが大半を占めた。

メキシコとの国境地帯では現在、保護者の同伴なしでアメリカに入国しようとする1万7000人以上の子供が、連邦政府の拘束施設に留め置かれている。記者団からは、前任のドナルド・トランプ前大統領に比べて移民受け入れに寛容だと見られているバイデン政権の姿勢が、こうした子供の急増につながったのではないかと質問され、バイデン氏は自分や自分の政策よりも、涼しい時期に南米からの移民が急増するのはいつものことだと答えた。

「実のところ、何も変わっていない」とバイデン氏は述べ、「いま大勢がやってきているのは、砂漠の熱で死ぬ可能性が最も低い時期だからだ」と指摘。「自分がいい奴だと思われているから、みんな来ているんだと思いたいが、実際はそうじゃない」と述べた。

さらにバイデン氏は、アメリカを目指す人たちの地元諸国が、自然災害や犯罪、経済の停滞などに見舞われていることが、根本的な問題だと話した。

連邦政府が運営する収容施設の状況については、透明性を確保すると約束。報道陣が施設内を取材できていないことについて、「何もかもアクセスできるようにする」と述べたが、具体的な時期は示さなかった。

トランプ前政権とタリバンは昨年2月、米軍の撤退と、タリバンとアフガニスタン政府の捕虜交換が盛り込まれた合意文書に署名。これに伴い、アフガニスタンから駐留米軍を5月1日までに撤退させることに、前米政権は合意していた。しかしバイデン氏は今回の記者会見で、5月1日までの完全撤退は難しいと答えた。

2024年米大統領選で再選を目指すかと質問されると、そのつもりだと答えた。

中国との関係について聞かれると、自分がオバマ政権の副大統領だった当時から習近平氏とは何度も接触し、相手のことを良く知っていると前置きした上で、習主席は「非常に率直な人物で、民主的な要素はかけらもないが、実に頭がいい。プーチンのように専制主義こそ未来の潮流で、複雑さを増す世界で民主主義は機能できないと信じている」のだと説明。その習氏とは自分の就任後も2時間にわたり電話会談したと述べ、「我々は対立を求めていないが、非常に厳しい競争になることは分かっている」と伝えたと明らかにした。

バイデン大統領はその上で対中関係について、「強力な競争になるものの、中国が公正な競争や公正な慣習、公正な貿易という国際ルールに従うよう、強く求めていく」と話した。

国境での現状は

米税関・国境取締局は毎月、アメリカ南西国境で警備当局が「出会う」移民の数を公表している。

2021年1月には7万8442人、2月には10万441人がそれぞれ、この地域で拘束され、前年比で急増した。

一方、メキシコとの国境で最も拘束される人数が近年で多かったのは、トランプ政権中の2019年5月で、この月には14万人以上が拘束された。

今年に入りアメリカを目指す不法移民が増えていることについて、理由がいくつか指摘されている。

  • バイデン氏への期待感 - 「アメリカ大統領が障害をすべて取り除いてくれるといわれた」と、故郷ホンジュラスからアメリカを目指していた17歳のミカエルさんは、BBCニュースに話した。
  • 自然災害 - 「(昨年11月の)ハリケーン・エタで家が全壊した。何もかも失った」と、徒歩でホンジュラスからアメリカを目指していた、妊娠中のジャクリーンさん(19)は話した。
  • ギャング組織 - 「事業を立て直して再出発しようとしたけれども、ギャングが金を要求してきた。私たちは恐喝の被害者」と、ジャクリーンさんはメキシコを通過中に説明した。
  • 暴力 - 「すべてを失う覚悟が必要だ。それでもここで命を危険にさらす方がましだ」と、ジャクリーンさんの夫リオネルさんは話した。「ホンジュラスにいれば、どうせ殺されてしまう恐れがある」。

(英語記事 Biden pressed on child migration at first news conference