2021年03月27日 10:53 公開

ヴィクトリア・ギル、科学担当編集委員、BBCニュース

アフリカのゾウが直面する危機は、これまで軽視されてきた。しかし、象牙の売買、生息地の減少に加え、ゾウの生態が前より深く理解されるようになったこととも合わさり、問題がはっきりしてきた。

国際自然保護連合(IUCN)の最新の報告によると、マルミミゾウは「絶滅寸前」の危機にひんしている。

また、サバンナゾウ(アフリカゾウ)も「絶滅危惧」の状態にある。

これらの動物種は「何十年にもわたる減少」によって、IUCNのレッドリストにおいて、危機の深刻度が最も高い2つのカテゴリーへと追いやられている。

アフリカのゾウはかつて、レッドリストでは1つの種として分類されていた。

しかし、10年以上前に遺伝子の分析により、明確に異なる2つの種だと判明した。

ただ、生息数や増減の傾向、直面している脅威などを正確に調査するには、長い年月が必要だ。

IUCNは現在、アフリカには41万5000頭のゾウが残っていると推定している。

マルミミゾウの生息数は、過去30年間に86%以上減少した。サバンナゾウは過去50年間に、少なくとも60%減った。

状況は国によって違う。例えばボツワナでは、ゾウが多過ぎて、自然の生態系ではそれらを支え切れないと言われている。ただ大陸全体では、ゾウは減少傾向にある。

IUCNのゾウ専門家グループを共同で率いるベン・オキタ博士は、今回の現状評価を「警告音」だとした。

博士は、象牙目当ての密猟について、2011年がピークだったものの、その後も依然として、ゾウ生息数の減少を引き起こす「主要な原因」だとBBCニュースに話した。

「主な原因の1つになっている」と博士は言った。

「だが他にも、相当の警戒が必要な『静かな殺し屋』がいる。土地の劣化と断片化だ」

「広大な土地と長距離の移動が必要な種にとっては、かなり困難な状況になっている」

「野生動物は国境など知らない」

「現状を変えるには、国境を接する国々の協力と、よりよい土地利用の計画が必要だ」

オキタ博士はさらに、いくつかの動物が生息している場所では、それらが共存し続けられるように土地を利用することが重要だと説明した。

「私たちはどうにか実現しなくてはならない」

「私は楽観視している。現状を変えられると、大いに楽観視している」

英オックスフォード大学の野生生物保護研究ユニットのイスラ・デュポージ氏は、「表面的には望みがなさそうに思えるが、注意が喚起されたことは、実際には前向きなことだ」と述べた。

「ゾウの種を区別したことも前向きなことだ。どの種をどこで相手しているかを考慮しながら、より個別の対応ができるからだ」

「情報が多いのは、いつだっていいことだ」

「急激な減少」

「移動性野生動物種の保護に関する条約」のエイミー・フランケル事務局長は、「両方の種にとって保護が進むことを期待している」と話した。

「特にマルミミゾウは、ここ数十年で急激に減少している」

オックスフォード大学のデュポージ氏は、ゾウの保護で最も重要な役割を担っているのは、生息地を守ろうと「アフリカの現地で」保護活動をしている人たちだと指摘。

「そうした組織にこそ寄付するべきだ」と述べた。

(英語記事 Poaching drives elephants closer to the brink