2021年03月28日 12:28 公開

2月クーデターで実権を握った国軍への抗議が続くミャンマーで27日、抗議に参加した市民十数人が治安部隊に殺害された。死者数は、クーデター開始以降で最大となった。

現地情報によると、100人以上が軍に殺害された。政治囚支援協会(AAPP)は、少なくとも91人が亡くなったとしているが、実際にはもっと多いとみられる。

地元メディア「ミャンマー・ナウ」は、この日の死者は114人と報じた。また国連は、「大量の犠牲者」と数百人の負傷者が出たとの報告を受けたと発表している。犠牲者には子どもも含まれているという。

2月1日のクーデター以降、弾圧による死者は400人以上に上っている。AAPPは、死者数は毎日増加傾向にあるとしている。

「頭や背中を撃たれる危険」

この日は国軍記念日で記念式典などがあり、軍部は前夜、国営放送を通じて「これまでの無残な死者の悲劇から、自分も頭や背中を撃たれる危険があると学ぶべきだ」と警告していた。

アメリカやイギリス、欧州連合(EU)の政府高官は相次いで国軍の暴力を非難。ドミニク・ラーブ英外相は「最悪が更新された」と述べた。

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官も、この日の犠牲者数から「軍部はごく一部のために、大勢の命を犠牲にする」ことが明らかになったと非難。「ビルマの勇敢な人たちは、軍部による恐怖の支配を拒否している」と述べた。

在ミャンマーアメリカ大使館も先に、治安部隊が「丸腰の市民を殺害している」と指摘していた。EUのミャンマー大使は、国軍記念日に当たる27日が「恐怖と不名誉の日として刻まれるだろう」と批判した。

アントニオ・グテーレス国連事務総長も、「非常にショックを受けた」と語った。

人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのアジア代表副代表を務めるフィル・ロバートソン氏は、「ショッキングで、恐ろしく、残虐で受け入れられない光景だ」と非難した。

「鳥や鶏のように」

27日の抗議運動はミャンマー各地で行われた。

ソーシャルメディアでは、銃で撃たれてけがをした人や、遺族の悲しむ姿などが拡散されている。

ビルマ人権ネットワークのキャウ・ウィン会長はBBCに対し、ミャンマー軍には「限度も節度もない」ことが明らかになったと話した。

「これは弾圧ではなく大量虐殺だ」

実弾を使った弾圧は、ミャンマー全土の40カ所以上で報告され、首都ヤンゴンや第2の都市マンダレーなどで死者が出ている。

マンダレー管区ミンジャンに住むトゥヤゾーさんはロイター通信に、「(軍は)私たちを鳥や鶏みたいに殺している。自宅にいても」と話した。「それでも私たちは抗議を続ける」。

デモに参加した市民は、クーデターで政権を追われた与党・国民民主連盟(NLD)の旗を掲げ、反全体主義のシンボルとなっている3本指の敬礼で抗議した。

首都のヤンゴンでは、アメリカ文化センター内でも実弾が発砲された。アメリカ大使館は、この発砲によるけが人はいないとしている。

国軍は何と?

ミャンマー軍は、この日の市民殺害についてコメントしていない。クーデターを率いたミンアウンフライン総司令官は国軍記念日のテレビ演説で、「民主主義を守るために国全体と手を取っていきたい」と語った。

「要求を飲ませるために国の安定や治安を脅かす暴力は適切ではない」

国軍は先に、一連の銃撃はデモ参加者が行ったものだと主張している。

ミンアウンフライン総司令官は国軍記念日のテレビ演説で、「民主主義を守るために国全体と手を取っていきたい」と語った。また、NLDの党首アウンサンスーチー氏による「違法行為」があったため、国軍が政権を掌握する必要があったと強調した。

ミャンマー国軍は1945年、第2次世界大戦中の日本の支配に蜂起した軍事組織が始まりとされ、3月27日が国軍記念日として制定されている。

首都ネピドーで開かれた軍事パレードには、ロシアのアレクサンドル・フォーミン防衛次官が出席。ロイター通信によると、中国やヴェトナム、タイからも代表が参加した。

ミンアウンフライン総司令官は、ロシアはミャンマーの「真の友人」だと話している。

アメリカとイギリス、EUはミャンマー国軍に対し制裁を科している。一方、ここ数年でミャンマー軍とロシア軍の関係は深まっている。ロシアはミャンマーに対し、軍事訓練のほか、武器を提供している。

(英語記事 More than 90 killed in Myanmar 'day of terror'/ US condemns Myanmar 'reign of terror'