2021年03月29日 11:50 公開

アフリカ南部モザンビークの北部の町パルマで、イスラム過激派武装組織の襲撃があり、これまでに十数人が死亡した。パルマでは24日から武装勢力の攻撃が続いている。

国防省のオマル・サランガ報道官は、武装勢力が占拠したホテルから逃げ出そうとした7人が殺害されたと発表した。一方で、地元の住民や外国人観光客など数百人が救出されたという。

目撃者によると、ボートでの救出を待つ間に隠れていた海岸には、首を切られた大勢の遺体があちこちに倒れていた。

船舶の航行状況サイトでは、貨物船や旅客船、タグボートなど、何とか逃げようとした人たちが乗ったさまざまな船が、パルマの周囲や南部ペンバ港に集まっている様子がうかがえる。

救出状況は

ホテルの請負業者はBBCの取材に対し、占拠されたホテルでは26日夜に海岸に隠してあった輸送車を使って逃げ出す人が相次いだと話した。

翌27日朝にはボートによる避難も行われ、28日にも救出を続けるためボートがホテルへ向かった。現地では、住民などが協力して救出作業を行っているという。

「地元のサプライヤーや企業が、救出計画全体の英雄だった。たった数時間で協力し、海岸に逃げてきた人たちのところへ向かい、ボートに乗せて救出した」とこの請負業者は説明し、「国や大企業からの支援は一体どこにいったんだ?」と述べた。

AFP通信によると、27日午後には約1400人を乗せたボートが、パルマから南に250キロメートルほど下ったペンバの港町に到着した。

また、避難者を乗せた小さなボートが数隻、ペンバに向かっており、29日朝には到着する見込みだという。

パルマの現状は?

人口7万5000人のパルマでの犠牲者の総数は不明だ。

地元警察と契約を結んでいる民間警備会社ダイク・アドヴァイザリー・グループのライオネル・ダイク大佐は、パルマ市内や海岸には「頭がついたままの遺体も、頭を失った遺体も」、随所に横たわっているという。

武装勢力がパルマを制圧したとの情報もあるが、通信が遮断されているため確認が難しい状況だ。


武装勢力は当初、店舗や銀行、モザンビーク軍の兵舎などを襲撃していた。

多くの住民が戦闘から逃げ、森やマングローブ林、近隣の村などに避難した。また、パルマ近郊では仏石油大手トタルのガス田開発計画が進んでおり、100人以上の作業員や住民が市内のアマルラ・パルマ・ホテルに逃げ込んだ。

26日には、輸送車でホテルから逃れ、近くの海岸へと向かう人もあらわれた。少なくとも20人が、海岸でヘリコプターによって救出されたが、ホテルの外で襲撃された人もいたという。

モザンビーク北部では2017年に暴動が起きて以来、不安定な状態が続いている。

パルマのあるカーボ・デルガード州ではムスリムが多数派で、紛争の背景にはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の関連武装勢力がいる。これまでに2500人以上が亡くなり、70万人以上が避難民となった。

(取材:カイラ・ヘルマンセン、キャサリン・バイアルハンガ)

(英語記事 Dozens dead after militant attack in Mozambique