2021年03月30日 15:41 公開

イギリスのボリス・ジョンソン首相は29日、国内で新型コロナウイルスワクチンが「見事に」展開されているものの、新たな感染拡大に対する防御力が「どれほど強力かは正確には」分からないと述べた。

ジョンソン首相は、欧州では依然として感染者が増加していると指摘。イギリスでロックダウン措置が緩和される中、国民は「慎重に行動しなければならない」と述べた。

この発言は、イングランドで自宅待機ルールが終了し、屋外で複数人のグループが面会できるようになったことを受けてのもの。

死者や感染者、入院患者の増加は今後も避けられないと、ジョンソン氏は警告した。

イギリスよりワクチン展開が遅れている欧州諸国では、ここ数週間で感染者数が増加している。

ジョンソン氏はロンドン・ダウニング街の首相官邸で記者会見し、「自由への小さな一歩を踏み出せるのは、何カ月にもわたる犠牲と努力があってこそだ」と述べた。

そして、「ワクチン展開はとても見事だ(中略)しかし、新たな感染拡大に対して、今の防御体制がどれほど強力で、どれほ強固なのかは正確には分からない」と付け加えた。

「国民の免疫力を高め、次の感染拡大の波が発生した時に備えて防御力を高めるために、全力を尽くし続けることが必要だ」

「だからこそ、みなさんが実に長いこと示してきた規律を維持することが重要なんです」

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「2回の予防接種」で防御効果が増すと

ジョンソン氏は、イングランド首席医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授や英政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスと共に、1回目のワクチンを接種した人が2回目の接種を受けることの重要性を強調した。

ウィッティー教授は、2回目の接種を受ければ「予防接種による防御壁」がより強固になると述べた。

一方で「完全な防御壁ではない」とした上で、他国での感染者増加でイギリスが被るリスク、つまりイギリス国内にも感染が広がる可能性や、ワクチンの効果を低下させる恐れのある変異種への「より大きな懸念」を強調した。

「とても大きい感染の波が来れば、当然かなりの影響が出る。だからこそ首相や閣僚はロックダウン解除について、制限緩和の各段階の間にデータを検証しつつ、確実にゆっくり着実に実施するのだと決心している」と、ウィッティー教授は話したい。

今回の記者発表は、260万ポンド(約3億9000万円)を投入して首相官邸に設置された会見室を初めて利用して行われた。

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ジョンソン氏は英政府が未承認の米ノヴァヴァックス製ワクチンについて、最大6000万回分の製造の最終段階をイングランド北東部で完了させることで英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と合意したと発表した。

北東部ストックトン・オン・ティーズにある富士フィルムの工場で製造予定のノヴァヴァックス製ワクチンは、バーナード城のGSK施設で完成され、瓶詰めされるという。

イギリスの29日の新規感染者は4654人。1週間前は5342人だった。また、新型ウイルス検査で陽性が判明してから28日以内に亡くなった人は23人と、1週間前の17人から増加した。

29日に1回目の接種を受けた成人は29万3542人で、1回目の接種を完了した人は合わせて3044万4829人となった。また、2回目の接種を完了した人は14万6785人増え、367万4266人となった(日本時間30日午後1時時点)。

6人までの屋外集会が可能に

イングランドでは29日から、2世帯あるいは6人までなら屋外で集まることが可能になった。

また、スイミングプールやテニスコート、ゴルフ場といった屋外スポーツ施設の営業が再開されたほか、サッカーなど屋外で行うチームスポーツも解禁された。

結婚式は最大6人の参列で行うことができるようになる。

ロックダウン緩和の第2段階は4月12日から始まる。必要不可欠ではない小売店などが再開されるほか、レストランやパブは屋外でのサービス提供が認められる。

ジョンソン首相は会見で、「現時点のデータには、規制緩和のロードマップを逸脱するものは見当たらない」と述べた。

ウェールズでは27日、「地元に留まる」ルールが解除されたほか、6人までの屋外集会や、台所などが完備されている宿泊施設の予約も解禁された。

スコットランドでも4月2日に自宅待機が終わる予定。北アルランドでは4月1日から、6人あるいは2世帯までの屋外集会が許可される。

(英語記事 PM: Strength of defence against new wave unclear