2021年04月01日 12:38 公開

米製薬大手ファイザーは3月31日、未成年に対する新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)の結果、12~15歳の接種者で100%の有効性と強い免疫反応が確認されたと発表した。

アメリカで行われた治験には2260人の未成年が参加。安全性が確認されたほか、異常な副作用などもみられなかったという。

ファイザーはこの結果をアメリカとヨーロッパの規制当局に提出し、12~15歳への緊急使用認可を取る方針だ。

ファイザーのワクチンは現在、16歳以上への接種が認められている。

イギリスでは現時点で、未成年に対するワクチン接種事業は計画されていない。

未成年が新型コロナウイルスにかかった場合、重症化や死亡の危険性は低い。パンデミックを通し、入院治療が必要なケースは非常にまれだ。

一方、50歳以上や既往症のある人々のリスクは高く、ワクチン接種事業でも優先されている。

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ファイザーなど製薬各社は、子どもに対する新型ウイルスワクチンの効果について調査を行っている。

未成年がワクチンを接種すれば学校を閉鎖せずにすむほか、市中感染を抑制し、既往症などで感染リスクの高い子どもを守ることにつながる。

ファイザーは現在、12歳未満への治験も進めており、ゆくゆくは生後6カ月までを対象とする方針だ。

英アストラゼネカも、イギリスで6~17歳に対するワクチン臨床試験を行うと発表。3月に最初の300人がワクチンを受けた。イギリスでは同ワクチンは18歳以上に接種が認可されている。

米モデルナも11歳未満を対象とした治験を始めている。

まだ分かっていないこと

ファイザーの12~15歳に対する臨床試験では偽薬を投与されたグループで18人の感染が報告された一方、ワクチンを投与されたグループでは1人も感染者が出なかった。

全ての参加者が21日の間隔を開けて2回の接種を受けた。感染した18人はすべて症状が出た。ただし、無症状感染を見つける検査は行われていない。

今回の結果は中間結果で、全体のデータは発表されておらず、査読も学術誌への掲載もまだだ。

英医師協会で会長を務めていたピーター・イングリッシュ氏は、ファイザーの発表を適切に評価するにはさらにデータが必要だと指摘した。

「無症状感染をどれだけ防いでいるのかについて知ることが有用だろう。若年層は重症化しにくい傾向にあり、感染しても無症状のことが多く、他者に感染させてしまうことがある」

ファイザーのプレスリリースでは、変異株が治験にどう影響したかは示されていなかった。感染をどのように調べたのかや、投与のタイミングを長くした場合の結果なども明らかになっていない。

ファイザーのアルバート・ブーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の結果に「勇気付けられた」と述べた。

「このデータを数週間以内に食品医薬品局(FDA)や各国の規制当局に提出し、緊急使用認可の修正を依頼する予定だ。この年齢層が次の学年を始める前にワクチン接種を開始できれば幸いだ」

ビオンテックのウグル・サヒンCEO兼共同創業者も、臨床試験から、子どもたちが「ワクチンによって非常に強く保護されることが示された」と話した。

「子どもたちが日常的な学校生活に戻り、友達や家族と会いながらも、自分たちや愛する人たちが守られる、そういう状況がとても大事だ」

(英語記事 Children 'well protected by Covid Pfizer vaccine'