
2021年04月02日 11:28 公開
オーストラリアの裁判所は1日、2億豪ドル(約170億円)相当のコカインを密輸しようとした罪で、同国のカヤック選手で五輪メダリストのネイサン・バッガリー被告と弟に有罪判決を言い渡した。
ネイサン被告と弟のドルー・バッガリー被告は共に無罪を主張していた。量刑は4月後半に決定する見込み。
ドルー被告と共犯のアンソニー・ドレイパー被告は2018年、クイーンズランド州沖で船でコカインを密輸しようとしたところを発見された。海上で警察や海・空軍に11時間に渡って追跡された末、逮捕された。
2004年のアテネ五輪で2つの銀メダルを獲得しているネイサン被告は、密輸に使われた船を購入していた。
検察によると、同被告は2人の密輸計画に関わり、船を購入したほか、衛星通信設備や航行支援システムを取り付けていた。
終身刑の可能性も
これに対しネイサン被告は、船はドルー被告から与えられて買ったもので、ホエールウオッチングのビジネスを始めると言われていたと述べたと、ABCニュースは報じている。
しかし、船体の登録番号を隠していたテープからは、ネイサン被告の指紋も見つかっている。
バッガリー兄弟は以前にも、麻薬製造グループに関わったとして有罪判決を受けているほか、2009年にも別の麻薬関連の裁判で有罪となっている。
ABCニュースによると、2人は共に終身刑となる可能性がある。
一方ドレイパー被告は今年初めに麻薬密輸の罪を認めており、バッガリー兄弟に関する証言を行ったことで減刑となった。