政治活動における指揮能力の欠如・自壊するSEALDs

 「政治活動」であれば、影響はないと述べた。そして影響はあってはならぬという信念を持つ。その上でSEALDsと就職活動という論点から言えば、影響は出てしまう状況に移行したと考えています。SEALDs自身が各種団体との距離感を見誤り、結果として混同されつつある状況にあるためだ。これは学生側の問題というよりも、周囲にいた大人たちの責任だと考えています。組織論から言えばSEALDs側の指揮采配のミスですが、彼らが「新たな参加者」である以上、配慮が求めれるのは大人たちであったように思う。

 一部の参加者は余りにも激しい文言を用いており、SEALDs自体のイメージが急速に悪化しつつある点にも注目したい。組織維持の一環として、ブランディングとしてSEALDsの指揮官級が指揮・判断すべき案件ですが、それらの指揮能力を学生に求めるのは酷というものだろう。政治活動の経験不足ゆえ、組織防衛のノウハウを持たぬゆえの悲劇です。
 
 例えば、SEALDs参加女性が国会議員に対して「てめーの身体のすべての穴に五寸釘ぶち込むぞ」と述べました。この女性は、別のtweetにおいて北海道の民青として行くことや、浪人中であり親からも心配されている件などを述べています。

 同様の発言は多々ありますが、結果としてSEALDsのブランドは凄まじい勢いで崩壊しつつある。すでに止めることは不可能であり、その意味ではブランドは崩壊しつくしたと言っても過言ではありません。初期においてメディアが喧伝してきたお洒落な集団というイメージは、すでに崩壊してしまったのです。

 混同されつつある状況を鑑みれば、影響は出てくるように思う。三菱樹脂事件との関連のみならず、イメージ悪化による影響もあるだろう。現時点での私の認識だが、企業の採用担当・人事部門は良い認識は持ってはいないと考えている。むしろ、貴方はどう思うのかを問いたい。答えは同じものではないだろうか。

 過激派・公安監視対象団体の領域に軽々に踏み込んでしまったSELADs側の判断。またブランドイメージを守るという組織防衛が行えなかったこと。その全ては、政治活動における指揮能力の欠如によるものです。
 
 とは言え、同情すべき点もあるのです。かなりの難易度が求められる。常に交代がきくわけではないが、チームで動く際はメンバーそれぞれの余力には注意を払う必要がある。前に立たせ続ければ、疲弊していく。配慮やフォローは必要だし、厳しい局面があればサポートする判断も必要だ。前述のブランドイメージを守ることも肝要であるし、法令との整合性も視野に入れて動く必要がある。
 
 これらの指揮・采配の能力は、一朝一夕において身に着くわけではない。長年の経験あってのことで、特に精神的な打たれ強さなどは場数で増していくものである。

 初めて前に立てば、昂揚感から「まだやれる!」と思ってしまうこともしばしばだ。新人は、退く判断が往々にして遅れる。注意が必要だ。精神の高揚から、体力的な限界を認識できず倒れてしまったり、逆に肉体的な負荷が精神的な高揚につながってミスにつながる場合もある。

 これは保守陣営・左派陣営に関わらず、両陣営に共通するものだろう。私自身も多くの失敗もしてきたし、先輩方の指導があってこの場がある。ゆえに、左派陣営にしても、これら初歩的な事項は熟知していると考えている。

 ネット上では五寸釘発言の娘を嘲る声が多数だが、私は本当に可哀想なことをしたと思う。「普通の学生」であることを前に出すことは、安保法案に反対する陣営からすれば、効果的な手段だったのだろう。しかし、20代前後の学生を、そこまで露出させれば精神的な負担は相当なものだ。政治家である私にしても、意図を捻じ曲げられてYahoo!のヘッドラインに掲載された際は、相当に苦しんだ。とは言え、落ち込んだのは一日だけであったが。

 私が耐えることができたのは、30代であること、公人であり度胸もついてきたこと、またブログの訪問者数が月に60万人おり、露出に慣れていたゆえのことだ。
 
 普通の人間なら、心に傷を負っても仕方がない。罵声のようなコメントに日頃から晒されてきた学生などいるはずもないし、精神的にストレスを抱え爆発するほうが正常だとも言える。前に立たせ、露出を浴びることは、相当につらいことだ。尋常ならざる常人とは異なるレベルの強い精神力が求められる。壊れての暴言であったと思うが、壊れるのは当たり前なのだ。

 誰も、彼女を見ていてあげなかったのか。結果として、ネット上の良い玩具となってしまった。デジタルタトゥーを背負わされ、もう引き返せないところまで来てしまったのだろう。

 前述の暴言は、許されるものではない。平和を訴えつつも、なんと攻撃的なことか。私はそう述べねばならない立場だが、対峙する陣営とは言え、政治活動に身を置いたこともある年長者として、手をひいてあげる者がいなかったのかと悲しく思う。

 似た例は、続発していくのだろう。これは構造上の問題だと考えるためだ。内部事情に明るいわけではないが、指揮采配の経験が浅い学生に対し、陣営としてのサポートが甘いことが原因に思えてならない。

 前に立たせるならば、もっとしてやれることはなかったのか。例の五寸釘の方は、「民青が唯一の息抜きみたいな笑」というコメントも残している。支える能力が欠如しているのか、または最初から支える気などなく使い捨てるつもりなのか。続発するであろうことが、悲しくてたまらない。