金を稼いでくる力というのは、最近のことはよくわからない、どれだけ入ったのかも分からないんだけども、山口組の歴史の中で弘道会はこの間急激に伸びた。山健組はそういう点では歴史が古い。初代の山本健一さんが三代目の番頭さんだったんだから。弘道会がナンバーワン、ナンバー2の独占体制に入る過程で、いろいろな経済行為に進出していったという話を聞いている。それも繁華街のバーやキャバレーのおしぼり売って高い対価をもらって用心棒代の代わりにしてるとか、そういうのは昔からあったことなんだけど、そんなことじゃないビジネス。彼らは基本的に金を持っている。これは合法、非合法で稼いだ金だと思う。もっている単位が結構大きい訳です。だからその金を回すことによって結構稼いでいるんじゃないですか。山口組のナンバーワン、ナンバー2を握ったら、それだけオファーもあるとみていいじんじゃないでしょうかね。

 弘道会に限らず、東京の方のやくざも同じような形で金は稼いでいるんであって、弘道会が特別にそういう稼ぎ方をしているとは限らない。暴対法が出来て金を稼ぐのが難しくなっているから、極めて合法的に稼がなきゃいけなくなってきている。そういう一連の流れの中で、やくざの稼ぐシステムが大分変わってきていることは確かでしょう。しのぎは間違いなく東京が一番大きいが、あえて名古屋と大阪を比較したらパイとしては大阪の方が大きいのではないか。これから稼げる金がどちらが大きいか、ということで比較したら間違う。どちらの方がいま持っている金があるかということだろう。ただ、名古屋は金を持っているという噂は随分前から言われていることなんだけど。あそこまで伸びてくるということはある程度持ってるということなのでは。

山一抗争のようになるのか


 6:4の確率で進展していくように思われる。山口組系のやくざにとってのポリシーみたいなものがやはりあって、分裂イコール抗争なんです。まったくのイコール。分裂ということは敵が出来た、そいつら生かしておいてはいけないと両方とも思ってますよ。ピストルなどの銃撃戦とか、そういうことも考えてるんじゃないですか。山健組の歴史イコール山口組の歴史なんです。山口組の歴史の中で山健組が中心的な役割を果たしてきたのは確かです。弘道会が山口組の表舞台に登場したのはここ十数年の話。山口組の100年近い歴史があり、特に三代目、田岡さん以降は。山口組の歴史は山健組の歴史だったと言えると思う。山口組はおれたちが支えてきたんだ、という意識はものすごくありますよ、山健組の人たちは。メンタルのところで今回の騒動に影響している。「神戸山口組」という名称を使うとか使わないとか、あえて神戸と表現しているわけで名古屋ではないよという心ですよね。そういう点で神戸と山口組の歴史は自分たちが担ってきたんだという、神戸=山健組ですから、かれらの発想は。

 篠田建市組長が6代目に就任した2005年以降、弘道会の影響力が強まったというのは山健組の影響力を落とし、敵をつくりながら影響力を高めてきた。パイの小さい中で弘道会が勢力を伸ばしてきたことは事実で、そのあおりを実体的にも精神的にも、山健組がプレッシャーを受け続けたというのも事実だろう。で、そろそろ限界に近くなってきたと考えたんではないか。大阪、神戸は警察が警戒していますね、今回の件で衝突が起きるのではないかと。全国に通達も出ています。だから、大阪、神戸ではむしろ衝突は起こりにくいんでは。むしろ岡山、京都とか、ちょっと離れたところでそれぞれの勢力がいるところ。そしてそれは起こらないですむということはないです、間違いなく。井上さんたちが旗揚げして、さあ今後は仲良くやりましょう、ということが通る世界ではないですから。お互いが不倶戴天の敵。どっかで衝突する可能性がどんどん高まっている。山一抗争のときとは今は背景が全く違います。山一抗争のときは暴対法も暴排条例もなく、権力が強引に介入して潰すということが出来なかった。いまは権力が介入しようと思えば幾らでも出来る時代です。

(聞き手 iRONNA編集部 溝川好男)