現在の公明党には弱い人間の声を聞く、庶民の側に立つ、戦争には絶対反対し、権力の暴走を監視するという従来持っていた姿勢からは大きくかけ離れました。私たちが信じていた公明党とはすっかり変わってしまったわけですから、来夏の参院選で党に一票を投じたり、友人や知人に支援活動をする気などなれません。党として今回の総括を行い、原点に返らない限り続くことになると思います。

 また創価学会も安保法制を推し進める公明党を今も変わらず支援しているわけですから、私はその姿勢には疑問です。地元の会合でも参院選に向けて、党を諫めるどころか支援の動きが活発になりつつあります。学会本部からは三色旗を振ってデモに参加している我々を「とうの昔に学会を辞めた人たちだ」「学会員のふりをしているけどニセモノで、共産党かぶれだ」と言っているようです。幹部を通じて会合の参加者に関わらないほうがいいと警告しているようですね。

 それでも私は学会員として活動を続けて行くつもりです。本来の創価学会の仏法の考え方であれば、学会員であれば安保法案に必ず反対するはずなのに、政治の世界が絡んでしまって「法案の中身はよくわからないけど、私達の信じている公明党だから間違いない」という論理で進んでしまっているんでしょう。つまり今の学会員は「公明党教」になってしまっている。非常に危険な考え方を心配して、国会前で声を上げていたわけです。でも異論を唱える人々は学会内部でレッテルを貼られたり、会合に呼ばれなくなって、最悪除籍の場合もある深刻な状況が生まれつつあります。だから私が創価学会にどこまでも身を置いて正しいことを貫くことで、他の学会員にも目を覚まして欲しいと願っています。

 私は池田大作名誉会長を指導者として尊敬しています。何より学会を築き上げた第3代会長ですし、池田先生が書かれた著作や各国要人との対談集も精読し、私は「師匠」と呼んでいます。安保法制が間違いだと思うようになったのも先生の対談集がきっかけのひとつです。有名な英国の歴史学者、アーノルド・J・トインビー氏との対話本「21世紀への対話」の中で、先生は集団的自衛権に絶対反対で、憲法9条を守らなければいけないとの主旨を明確に述べられていました。そんな池田先生の平和哲学こそが仏法の根幹の思想だと思っています。ですから先生の著作に書いてある内容なのに、先生を尊敬しているほかの学会員はなぜ安保法案に賛成なのか、本を読んでいないのかと疑問に思ってしまいますね。(聞き手・iRONNA編集部、松田穣)