携帯電話料金の値下げに向けた政府の動き


 今年9月の経済財政諮問会議における携帯電話の料金に関する安倍首相の発言を受けて、利用者の負担を減らす方策を話し合うための、大学教授ら有識者による総務省主催の最初の会議が10月19日に、そして「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」という名称になって26日に第2回目が開催された。

 菅義偉官房長官が「大手3社が似たような料金設定をしているのは、国民から見ても問題だ」(産経ニュースhttp://www.sankei.com/politics/news/151019/plt1510190010-n1.html)という記者会見でコメントした。この認識にたち、携帯キャリアのネットワークを借りて格安SIMを提供する。

 MVNO(仮想移動通信事業者)の自由度を拡大するなどして、市場競争を活性化させることが狙いのようだ。そこでは「加入者管理機能のアンバンドル」という課題が議論されることになるだろう。

 「加入者管理機能のアンバンドル」とは、SIMの発行機能と、HLR/HSSという、携帯電話番号、端末の所在地、契約状況といった顧客情報を管理するデータベースとの2つを、MVNOに開放することを指している。現在、携帯キャリアがこの部分を開放していないため、MVNOは携帯キャリアのシステムに頼らざるを得ないところがある。MVNOがHLR/HSSを運用可能になると、MVNOが独自のSIMを発行して複数の携帯キャリアのネットワークを利用したり、独自の音声通話割引サービスを提供したりすることなどの自由度が拡大する。

 今年の5月29日に、安倍首相を議長とする「第6回産業競争力会議課題別会合」が首相官邸で開催された。そこでの「AI・ビッグデータによる産業・就業構造の変革について」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/kadaibetu/dai6/gijiyoushi.pdf)という議題に関連して、楽天の三木谷浩史会長兼社長が次のような意見を述べた。

 〈SIMを開放すると、参入がどんどん進み通信料金が安くなる。それに加えて、単に携帯電話だけではなくて全ての機器がSIMを持つことになっていくと思うが、そのときにSIMの発行を多くの業者ができるようになっていないと、柔軟でクリエイティブなサービスの提供ができないということになる。日本がIT分野、AIやIoTで勝つためには、SIMをいかに開放していくかということがポイントになる〉(〈〉内引用、以下同)

 〈これまでにパソコン、携帯電話、 今後は自動車、家電へと、どんどんとグーグルのOSが入って、徐々に支配権をとられていく中で、日本は、最も開放された通信環境ネットワークを提供することでイノベーティブなサービスを生み出す環境を作っていく必要があると思う〉