次世代を担う子ども達のため

 これまでも子どもの発育上、心理的にも社会学的にも「特定の大人(通常は親)との関係を継続すること」「両親は子どもにとって一体的な存在であるので、喧嘩や不倫をしないこと」「血の繋がった両親に育てられること」「父親と母親は両方必要な存在であって、子どもに対して負っている役割は違うこと」等は、とても重要なこととされてきた(子供が安心して暮らし、健全に育つためには、父親と母親の下での安定した親子関係が不可欠であることを論ずる文献は数多い。一例として、母子関係について John Bowlby, Attachment and loss(1969)、離婚による子ども達への影響について Judith S. Wallerstein & Sandra Blakeslee, Second Chances(1989)、父子関係の重要性について David Popenoe, Life Without Father(1995)、継続し安定した親子関係の重要性について Joseph Goldstein et al., Beyond the best interests of the child(1979))。出来る限り、生まれた時から実の両親に育てられ、不倫や離婚のない愛情あふれる安定した家庭に育つことが、子どもにとっても健全な大人へと繋がっていく。しかし、カップルの自己決定のみにその存在がかかる同性婚賛成者の婚姻の概念では、カップルはいつ何時でも婚姻を解消することが出来る壊れやすい存在となるのは当然であり、子どもの健全な発育は難しくなってしまうのである。

 また、結婚の定義の問題とは別に、同性婚が子どもに影響する点として、次の6点も問題視されている。

 第1に、同性カップルの実態は異性カップルと全く違うとの指摘には注意を払わなければならない。例えば最近の様々な研究によれば、同性カップルは異性カップルに比べて・カップルでいる継続期間が短い、・決まった相手以外とも性交渉する、・一度に複数の相手と性交渉する、・性病にかかりやすい、・暴力行為の割合が高い、・うつ病等の精神的な問題を抱えている割合が高い、・薬物乱用やアルコール中毒等の割合が高い、・育てている子どもに対して性的虐待をする割合が高い、という傾向が現れている(Timothy J. Dailey, Homosexual Parenting: Placeing Children at Risk, Family Research Council-Issue No.238(2001))。

 特に問題となってくるのは、「同性カップルは一時的な関係であって一生涯生活を共にすることを前提とはしていないこと」「親密な相手がいても性交渉は別で複数の違った相手とも性交渉すること」「育てている子どもに対して性的虐待をする割合が高いこと」であろう。性的虐待は言うに及ばないが、自分の両親がいつ離婚するか分からない不安定な家庭環境、両親が常時お互いに平然と不倫をしているという家庭環境は、子どもが健全に成長するには大変厳しい環境である。

 もちろん、これらの研究結果がどの程度、真実をついているのか現時点では分からない。けれども、同性カップルに育てられた子どもへの影響を実際に調べるとなれば、多くの同性カップルに育てられた子ども達が大人になるまで待たねばならず、現時点では真実までたどり着くのは難しいのである。1つはっきりと言えるのは、少なくとも、同性同士の結婚を認めることによって、責任ある出産と育児が切り離され、子どもの情緒的な発育にとって必須とされている母親と父親の存在が両方そろうという環境がなくなってしまうことは事実である。例えば父親が2人いたとしても、父親の役割と母親の役割は違うものであり、母親の役割までカバー出来るか微妙なところである。母親2人の場合も同じであろう。父親2人もしくは母親2人の家庭と、父親・母親そろった家庭が変わらないという見解もあるが、もし男性と女性が全く同じというならば、そもそも性同一性障害の問題など起こらないはずである。