入居者とのトラブルがより深刻になっていくことも


 少し古いデータになりますが「民間賃貸住宅を巡る現状と課題(平成21年7月国土交通省住宅局)」という国土交通省が取りまとめた調査があります。そこでは、賃貸住宅に関する修繕計画について、過半数の大家さんが「長期的な修繕計画を作成していない」と回答しているという調査結果となっています。

 つまり、既存の賃貸マンションについては、修繕計画に基づいて定期的な修繕を行うというよりも、不具合が出た時点で応急処置的に修繕を行うなどの方法がとられている物件が少なからずあるということです。

 また先日国民生活センターから2014年度の消費生活相談の概要に関する資料が発表されていましたが、そこで賃貸借契約をめぐるトラブルの相談は全体の6位に位置されているほど、トラブルの多い分野でもあります。多くは退去時のリフォーム費用の清算をめぐるトラブルです。

 外国人に向けて販売されている投資用マンションについて、収益性の算定をするにあたって、大規模修繕等を要する際の費用や個別の物件のリフォーム費用などをどの程度織り込んで算出しているかはわかりませんが、見通しが甘いとそれはやがて入居者とのトラブルに発展する可能性もあります。

 例えば、物件の不具合があるにもかかわらず修繕がなされないといったものや退去時のリフォーム費用が過大に請求される…といったトラブルです。

 オーナーが日本人であったとしてもトラブルが多いわけですから、これからは外国人オーナーとのトラブルも想定する必要があると思います。

 外国人が不動産を爆買いする…というのは、ごく最近の例であって、問題が顕在化するのはこれからかもしれません。外国人に爆買いされた不動産をどのように管理されているのかということについては、今後の動向を注意深く見守っていく必要があります。

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