左寄りの支持母体も列挙したが、歯が立たない。戦えるだけの強固な支持層があったとしても、歯が立たぬ理由があるのだ。政権交代の際のように野党が勝利を納めるためには「選挙区調整」などをもって、反自民の声を一本化する必要がある。ダブル選の場合、これが不可能だからだ。
安保法案採決に抗議する市民集会で「廃案」を訴える共産党の志位和夫委員長(中央)。民主党の岡田克也代表、社民党の吉田忠智党首らも駆けつけた=2015年7月15日、国会正門前(共産党提供)
安保法案採決に抗議する市民集会で「廃案」を訴える共産党の志位和夫委員長(中央)。民主党の岡田克也代表、社民党の吉田忠智党首らも駆けつけた=2015年7月15日、国会正門前(共産党提供)

 想像して欲しい。民主、維新、共産が野合したとしよう。協議の結果、仮に合意を得たとする。衆院の小選挙区は民主、衆院の比例は共産。参院の選挙区は維新、参院の比例は民主。調整などつくわけないと思うが、仮に調整がついたとして、このような複雑な投票が果たしてできるのだろうか。末端の実務者として言わせて頂くが、まず不可能である。4パターンもあるのだ。

 混乱状況を伝えるため具体例を挙げる。例えば私の住む福岡11区。野党連合は、「衆院・小選挙区は社民」としたとしよう。ここは候補者名を覚えてもらわねばならない。「衆院・比例は共産」としたとする。ここは共産党という党名を浸透させる必要がある。「参院・選挙区は維新」としよう。これは福岡県全域、11区以外も維新の候補者名を覚えてもらう必要がある。さらに「参院・全国比例は民主」とする。こちらは候補者名だ。そしてこれが福岡10区となれば、小選挙区は別の候補となる。8区、9区でも異なるのだ。

 そして各小選挙区は、国政復帰を狙う「元職国会議員」たちが多数いる。民主党時代の元議員たちだ。選挙区調整とは、彼らに断念してもらうという調整に他ならない。政治生命を断ち、人生を諦めろと言うに等しい。簡単につく調整ではない。調整がついたとしても大混乱となるだけだ。

 その点、自民・公明の動きはシンプルだ。選挙区は自民、比例は公明と連呼すれば終わる。ある意味では今まで通りである。この点では「民主党」という大きな枠組みのみで戦い、「政権交代!」のみを連呼した小沢氏は、やはり天才だと思う。あれだけの得票を叩き出した、最高潮の自民党を撃破したのだから。

今年は、左翼が自爆する年


 本記事を読んで頂いているのは、多くはネット保守層であると思うが、初めて聞いたという方も多いように思う。だが、ネットユーザーにとって「初めての知識」であったとしても、左翼は違う。彼らはこの仕組みをよく理解している。ネットは、特定分野の知識が凄まじく詳しいのみで、リアルの選挙支持層が常識として持っている知識を有していない場合も多い。左翼は知っているのだ、自らが終わるということを。

 ここに焦燥感、焦りが生じる。確実に生じる。振り返って頂きたいのだが、民主党政権の誕生前夜、いまは古参となった保守陣営がどのような焦りを感じていたか記憶にあるだろうか。効果も見えぬ中、ギャンブルパンフで初めてのポスティング。ネットがリアルに踏み出した、あの日。焦りと危機感から、誰しもが何か出来ぬかと駆け回った。中には事故とも言える悲劇もあったし、いま思えば暴走と言われても仕方ない動きもあった。民主党政権誕生前夜、暴発したのは保守であった。今回、ダブル選挙を前に、焦りから暴走するのは左翼である。


 手に取るようにわかる。暴走には2パターンあるだろう。ネット上からリアルに踏み出した結果の暴発と、時代の変化に追従できなかった古参左翼によるものだ。一つ目は、皆様も想像がつくのではないか?シールズの一件のように、web上で動いてきたネット左派層、彼らの暴走である。ネット上には目に余る暴言も多数ある。保守陣営の論調も、中には言葉が激しすぎるものがある。私は、実はこれが嫌いだ。リアルでは通用せぬし、足を引っ張るのみだからである。受け入れられる言葉使いをして頂きたい。