国際標準と意識がずれている「日本のリベラル」


  イスラム過激派問題でも民主党は歯切れが悪い。欧米のリベラル派や左派はイスラム過激派に融和的ではない。明確なリベラル派であるアンジェリーナ・ジョリーが「日本が戦後70年で成し遂げたことは明白だ。同盟国、友人、優れた民主国家、経済大国の日本は、現在、国際的な平和と安全のために主導的役割を果たそうとしている。日本は中東に安定をもたらし、過激主義と戦うため、20億ドル以上の支援を表明している。誇るべき貢献だ」といっているのを見ても、国際標準のリベラルの論理と日本でリベラルと自称する人の意識がいかにずれているか如実になっている。

 そもそも、奴隷として女性を売買し、女子教育施設にテロをしかけるイスラム過激派ほど女性の人権を踏みにじっている勢力はないはない。それにリベラルや左翼だと称する女性が融和的なことほど不思議なものはない。

 経済政策では、アベノミクスを効果が出てないと批判するが、代替案の提案はどこからもないに等しい。それどころか、原発の再稼働や輸出、武器輸出、TPPなどをはじめ、経済成長に役立つ改革にはだいたい政府より後ろ向きだ。

 そんななかで、原発については、少なくとも再稼働については、経済的に明らかに有利だという世界の常識を前提に議論して欲しい。原発に限らず、経済的には損だが、他の配慮でやらないということがあっても良いと思うが、経済的にもお得だと強弁してしまっては、真摯な議論ができなくなってしまう。

 経済対策については、本当は民主党が自民党より大胆な政策を打ち出せるはずという面もあるはずなのだ。医師会と農協は自民党支持層の核心だ。ならば、民主党は彼らに遠慮せずに改革へ切り込みをできたはずだが、政権獲得時もやらなかったし、いまもやろうといない。それでは、だめだ。
社民党の吉田忠智党首
 ただし、私は自民党より保守的な小政党があって良いと思っているのと同様に、社民党的な左派政党の価値も認めたい。アメリカ以外にはどこでも非共産党系の左派政党がある。あるいは、社会党や労働党に左派がいる。そういう価値観を持つ人は一定割合いるのだから、受け皿は必要だし、現在の世界で基調となっている市場経済重視の政策に対しては、彼らのような立場からの批判はあってしかるべきでもある。

 日本の民主党で、国際的な尺度ではリベラルといえないような左派はむしろ社民党と合体して二大政党の枠外に出れば野党らしい野党としてそれなりの存在感を示せるはずだ。

 そもそも社民党は、共産党と戦わないから衰退した。共産党は西欧的な民主主義の政党であるか疑わしいままだ。少なくとも社民党にしても民主党左派にしてもその点においては疑わしい存在でないのだから、社民党は共産党と戦うことで勢力を広げるべきだし、それがリベラルな民主党と連立を組むことで自公連立との対立軸になることは可能なはずだ。

 その場合に、社民党は鳩山内閣のときのように、単一の問題で意見が通らないというだけで連立離脱などするべきでない。小政党の意見が議席数以上には通らないのは当然だ。

 公明党でも自民党と意見が違うことも多いが、批判があっても安直に連立解消とまではいわない。そういうのが、世界的に常識的な連立政権の作法であるべきだと思う。