SMAPのメンバーがそれぞれ演技や司会など、プロフェッショナルであり続けているのは、本人たちが真面目だからでしょうね。昔はだらしなく崩れる人が多かったですが、SMAPや彼ら以降のアイドルは基本的にストイックで真面目ですよね。それは単なるアイドルではいられなくなったというのが大きいでしょう。

 昔は、歌って踊っていれば、ちやほやしてもらえてそこで終われたはずだけど、いまはお笑い芸人と同じフィールドに立たなければいけなかったり、俳優として演技をしたりする。違うフィールドに出ていけば、必然的に半人前扱いしかされない。でも、結果をださなければ生き残れない。面白くなければいけないし、かっこよくないといけないし、歌も歌えなければいけない。それぞれの本当のプロ、たとえばお笑いのダウンタウンとかに勝てるかといえば、勝てないんだけど、拮抗できるように頑張らなければならない。平均点が高くなって、その結果、総合的に勝ったということではないか。

 SMAPは開拓者であるとともに後継者でもある。トレンディドラマの流れからつながるフジテレビの月9ドラマ、その後に放送される「SMAP×SMAP」といったフジテレビが華やかで、景気が良かったころの最後の後継者。SMAPは解散によってそんなテレビ界最後のスターみたいな役割から、いい意味で解放させてもらえるのではないかと。もちろんそれでも中居正広はこれからも司会をするだろうし、他のメンバーも俳優で活躍するだろうし、個人個人が自由にやっていけるから、本来はもっと前にどこかのタイミングで解散してもおかしくなかったと思うんですけどね。SMAPがいなければ嵐が引き受ければいいだけですから。

 トレンディドラマを延命させた一人が木村拓哉かもしれないし、「笑っていいとも!」などのフジテレビのバラエティ文化を引き継いだのは中居正広かもしれない。タモリや明石家さんま、ビートたけしといったビック3といわれる人達。もっとさかのぼると、ザ・ドリフターズやクレイジーキャッツらの直系なんじゃないかな。彼らは演技も笑いも歌もできた。

 SMAPがテレビ文化から離れられなくなっているというのは不幸な側面だ。いま明らかにテレビは下り坂。視聴者も高齢化しているし、新しい文化も生まれない中で、終わっていくテレビを引き受けさせられているのがSMAPなのではないか。伝統芸能のようになっているテレビの看板をわざわざ引き受けさせられているような。テレビは華やかでなければいけないというものの象徴になっている。

 タモリが「笑っていいとも!」をずっとやめられなかった苦しさを、SMAPが引き受けるんじゃないかと漠然と思っていた。解散によってそれが解放されるなら、むしろそのほうが幸福なんじゃないか。(聞き手、iRONNA編集部・本江希望)

なりま・れいいち ドラマ評論家、フリーライター。単著『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)『キャラクタードラマの誕生: テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)。