ジャニーさんがSMAPをつくった


 でもね、飯島さんがSMAPを育てたというのは、僕はちょっと語弊があると思う。SMAPのマネジャーではあるけれど、育てたのは紛れもなくジャニーさんです。SMAPをつくったのも育てたのもジャニーさんです。飯島さんはSMAP担当というだけで、メンバーをバラエティー路線に変えたのも実はジャニーさんなんです。ジャニーさんはSMAPに「ユーたちドリフになりなさい」と言った。「国民的スターであり、解散しない息の長いグループになれ!」というジャニーさんなりのメッセージだったんです。SMAPというグループがバラエティー路線に飛び込んでいったのも、実はすべてジャニーさんの思惑通りなわけです。本当にジャニーさんは天才です。ジャニーズ事務所は今もジャニーさんとメリーさんで成り立っています。別の表現をするならば一国の独裁者、そうジャニーズは自分たちでつくった国なんです。だから、ジャニーズ事務所に入るには、ジャニーさんの目に掛からないと入れない。

 SMAPは当初、「スケートボーイズ」から選ばれた。6人のメンバーの選定から「ユーたち、SMAPね」と名前を決めるところまでジャニーさんが一人でやった。例えば「嵐」っていう単純な名前にしても、ジャニーさんだからメジャーで映えるっていうセンスがある。そこはいくら取締役の飯島さんでも何にも言えません。そんな面倒くさい環境の中で、飯島さんは一生懸命やってきて、業界内で「ジャニーズに飯島あり」と言わせるまでに成長した。その飯島さんに対し、メリーさんはマスコミを通じて「派閥があるなら、お前が出てけ! SMAPを連れて今すぐ出てけ!」って記者の前で怒鳴ったわけです。本人も思ってない根も葉もないことをいきなり人前で言われたら、普通の人間だったらもうやってられませんよね。「私、会社を辞めます」という流れに普通に考えてもなると思います。それでも結果として辞めるための準備期間に1年かかり、今になって公になってしまったということです。

 今回、飯島さんが辞めるからSMAPは解散だって一緒くたになってることがおかしい。中居くんら4人が辞めるというので当然飯島さんにくっついていくんだろうということですね。でも、飯島さんは「退社」と言っただけで「独立」とは一言も言ってないんです。飯島さんが「新しい事務所つくります」って言ったら業界内外どれだけのバックがつくか。コネクションと実績に国民的スターを4人も連れてるんです。一気に数百億円が動く規模になる。飯島さんにすれば、盤石な体制が一気に作れるわけです。飯島さんは今年で59歳。もうそろそろ潮時か、少し早い定年かなっていう時期。業界に大きな軌跡でも残してやろうかという野心は間違いなくある。

 トシちゃん(田原俊彦)にせよ、諸星(和己)くんにせよ、ジャニーさんは去るものは追わない。自分が興味ない人間は無視するし、「自分のところを去るんならもう知らないよ」って感じ。それが辞めた人が干されてるみたいな印象を受ける背景になっている。今回、SMAPを辞める中居くんをはじめ4人が干されるかっていったら、これは干しようがない。そうなると、ジャニーズ事務所の力はどこにいったんだということになる。ジャニーズの懸念はそこですよね。1年前から始まった確執の表面化、ジャニーズはファミリー経営といってもジャニーさん、メリーさん、メリーさんの娘のジュリーの3人しかいない。ジュリーさんは生まれたときから「帝王学」を叩き込まれているような存在で、ジャニーさん、メリーさんとは違う新しい「経営」を試みようとしている。今回の一件で、ジャニーズが崩壊するとか潰れるわけはなく、芸能界での立場がかなり遜色されるという懸念の方が大きい。

 これまでのジャニーズは「帝国」であって、ジャニーさんは「帝王」だった。それが赤西くん(仁・元KAT-TUN)みたいに自分の都合で「やりたいことあるから脱退します」みたいな人が出てきた。80年代のジャニーズではとても言えなかったことです。自分がどうしてもなりたくてなった「アイドル」を自分から辞めるなんて有り得なかったし、事務所から肩を叩かれて「もうしようがないな…」ってところまでやって、ようやく出ていくのが当たり前だった。80年代のアイドルは、「僕は給与明細なんて見たことがありません」ってぐらいにお金をもらっていないので、辞めたくても辞められなかったんです。