個別の商品を買うのとは仕組みが違う


 電力の自由化で、山のように電力会社ができることで、小さな会社と契約すると、経営破綻したら電気が来なくなって停電で大変なことになるのではないかと思う方もおられるでしょう。

 ただ電気の場合は、通常の商品と違って契約した会社から直接電気が送られてくるわけではありません。発電所でつくられた電気は、すべて既存の送電線を通して送られてくるので、その時点で、原発でつくった電気も太陽光でつくった電気もすべて混ざり合ってご家庭に届けられます。イメージでいえば、各発電所でつくられた電気がいったん大きなプールに集められ、そこから水道水のように送電線を通して蛇口のある各ご家庭に届けられると思えばいいでしょう。ですから、契約している会社が小さなところであっても、プールの水が枯渇しなければ電力は供給されます。

 電力自由化にあたっては、今まで使われていたメーターは、スマートメーターという新しいタイプのメーターに順次かえられていきます。従来の電気メーターは、電力会社から月に1回検針の人が来て調べていきますが、スマートメーターは通信機能を備えた電気メーターで、使用状況が30分ごとに検針されて自動送信されるため、ライフスタイルにあった電力メニューを選ぶことができます。

 4月以降は、電力会社を換える人を優先して、最終的には全戸にスマートメーターが着く予定です。設置料金は原則無料です。ただし、メーター取り替えに伴う工事に費用がかかるケースもあります。

詐欺には気をつけて


 電力自由化で、すべてのご家庭の電力が安くなるのかといえば、そうとばかりは言えません。電力使用量が少ないご家庭の場合には、電力会社を変えることでかえって電気代が上がってしまうケースも予想されます。なぜなら、現行の電気料金は3段階になっていて、電力使用量が少ないご家庭ほど電気代が安くなるようになっているからです。たとえば、150kWh/月だと、電力会社を変えたら高くなるというケースがかなりあるでしょう。

 ただし、平均的な家庭の電力(290kWh/月)で見ると、電力会社を変えたほうが料金が安くなるケースが圧倒的に多くなります。

 4月近くになると、インターネットなどでも電力の比較サイトがかなり充実してくると思いますから、こうしたものを駆使して安い電気を買うとおトクかもしれません。

 ただし、注意しなくてはいけないこともあります。電力会社によっては、契約したら一定期間は解約できない縛りを入れていて解約すると高いペナルティーをとられるケースがあります。

 また、新しく始まる制度なので、これを利用して新たな詐欺が出てくる可能性があります。たとえばスマートメーターは基本的には無料で設置されますが、スマートメーターを設置するので設置料金を負担してほしいとか、安く電気を供給するので前払いして欲しいなどと言ってお金をだまし取る手口なども考えられます。

 ちなみに、4月になっても何もしなければ、今のままの電力会社で今のままの電気を使うことになります。自分でアクションを起こさなくては、何かが変わるというわけではありません。ですから、あせらずじっくり比較検討しながら選んでもいいのだということを覚えておきましょう。