意見)育休をとっても歳費が満額出るのはおかしい!

橋本の感想)日本国憲法の規定です。憲法改正を提起してください。ただしその際、議員活動の自由の保障をどのように行うのかまで含めて検討してください。なお、被雇用者が育休を取得した場合の給与が幾らになるのかは、各企業の労働契約や規定によります。2/3というのは、雇用保険の育児休業給付金がその水準というだけです。

意見)私はやりくりして育児した!やればできる筈だ!

橋本の感想)その努力は大変だっただろうとお察しします。しかし、さまざまな条件(サポートしてくれる家族の有無や家庭・職場の立地など)がそれぞれの家庭ごとにとても異なるということは考慮されるべきですし、そもそもやりくりで話が済んでしまうのなら育児・介護休業法は不要です。

意見)地元の有権者の声が国政に反映できなくなるのでは?

橋本の感想)ここは秘書さんたちの出番でしょう。しかも今の時代、電話やファックスやネット等もありますから、本人も在宅でサポートできます。宮崎議員の場合「一か月程度」とのことですから、大きな支障が出るとも思いません。もちろん、災害等非常の場合、あるいは不信任案採決等、政局的に本会議に出席しなければならない場面は、本人がきちんと責任を持って対応することと思います。なお、なんらかの理由で(病気入院等の場合が多いですが)本会議等を、特に公表することなく一定期間欠席する議員は時折おられます。そうした方々に比べ、「育児のため」と事前に理由を明らかにするだけ、宮崎議員は有権者の方々に対して誠実な対応をして志していると思います。

意見)有権者に理解されないのでは?

橋本の感想)そもそも、育児休業が法制化されている意味は、ほっといても育児休業が理解されず、進まないからなのです。両親が仕事を休んででも育児に時間を割くことの意義を国民に伝え理解を得る努力をするのは、むしろ同法に賛成した国会議員の務めではないでしょうか。宮崎議員の行動もその一つとして理解できます。そして本当に有権者に理解されない場合、宮崎議員本人が議席を失うリスクを負うのであり、第三者が心配することではありません。「評判を落とす」という注意があった由報道がありますが、仮に政党の幹部がそのような発言をしたとするならば、世の中に育児休業への理解が深まる筈もありません。誠に残念なことです。

 実のところ、ゴールは極めて簡単なことです。本会議への出席は義務ではなくて権利なので、本人は欠席届を提出して休めばよい。その他のことは法的には何の義務もないし、党内的には差し替え等同僚がフォローすればよいだけです。

 とはいえ産休について規則はあります。衆議院の場合、このようなものです(参議院の規則も似たようなものです)。

衆議院規則185条(2)

議員が出産のため議院に出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届を提出することができる。

この「出産のため」を「出産または育児のため」と改正すれば、育休の規則になる、というだけのことです。もちろん衆議院規則の改正は然るべく手続きを踏んで行わなければなりません。それには多くの議員を説得し、同意を得ていく必要があります。実現しようとすると、そうした努力を今後コツコツと取り組むべきでしょう。今回は、宮崎議員がそれをする前に、宣言がメディアに取り上げられ社会の注目を集めてしまったために話がこじれてしまった面もあるようにも思います。

 これから結婚しよう、親になろうと思っている若者たちが、今回の騒動で「こんなに厳しいことを言われるんだ」と思って萎縮してしまったら、それは日本社会にとって極めてマイナスです。残念ながら今回の騒動で、与野党を超えてそうした声がメディアで伝えられているのは、個人的にはとても残念で仕方ありません。

 現在の日本は、少子化対策担当の大臣が設けられ、政策目標として出生率向上を掲げなければならない程度に、切迫した状況です。また、女性議員も他国と比較して日本は少なく、いかにして増やすかという議論は、各党で行われているはずです。

 その中で、めでたく結婚をしめでたく子どもを授かった二人の想いが、宮崎議員の宣言には籠っているのであろうと思います。結婚披露宴の〆の本人挨拶で、「未熟者の二人です。間違えることもあるかもしれませんが、ご列席の方々はどうぞご指導ください」みたいなスピーチも珍しくないわけです。国会議員とはいえ、まだこれから初めて親になる二人なのですから、不安な状態にもあるでしょうし、行き届かないことも舌足らずなこともあるでしょう。

 ですから、願わくは人生の先輩方におかれては、彼の主張への賛成・反対は別にしても、自分の苦労を大上段に振りかぶるのではなく、まず若く不安な二人に、暖かく接してあげて頂きたいと思うのです。

 そうした空気が世の中に満ちて、はじめて女性活躍も、地方創生も、一億総活躍も実現するのだと、僕は思います。(「橋本がくブログ」より2016年1月8日分を転載)