細川「私も、少し長かったんですけれども、いろんな人のリクエストというか、思いを受け止めながら、安倍さんご自身が自分の言葉で作られた文章というのが、良かったなと思うんですね。先程櫻井さん仰ったように、いろんな人の犠牲とか命の上に今の日本があるということを忘れてはいけない。胸に刻んでいくとか、思いに致すとか、そういう言葉が繰り返し繰り返し出てきた、そこにそういうことが現れているような気がするんですね。」
70年談話を発表し、記者会見する安倍晋三首相=2015年8月14日、首相官邸(斎藤良雄撮影)
櫻井「そうですね。日本が戦争をして、その舞台となったアジアの国々、オーストラリアも他の国々も初めですね、そこで被害に遭った人たちに対する、痛切な思いっていうのは本当に繰り返し繰り返し十分に表現したと思いますね。それからもう一つ戦後の日本が、敗戦国として、国際社会に復帰するのに、かつては熾烈な戦いを演じた相手、アメリカとかオーストラリアとかですね、アジアの国々に対しても、非常にその、きちんとした姿勢で、援助の手を差し伸べてくれたことに対する感謝の気持ちを表明していますよね。この中に入っていない国が、中国とロシアですよ。これは中国とロシアに対する間接的なメッセージだというふうに思いますね。そういったことに加えて、すごく良かったと思うのは、今人口の8割以上が戦後生まれですよ、戦争を体験したことのない、全く関係のない子供達に、未来永劫、謝らせるようなことはしたくないと、ここで謝罪は終わりですよと、今まで誰も言わなかったことをきちんと仰ったことはすごく良かったですね。」

細川「そうですね。50年談話が出されたとき、私は27歳だったんですけれども、まだ謝るのかなと思ったんです。そして60年でまた謝って、で、いつまで謝るんだろうというのが、ずっと私は心配だったんですね。私ももちろんだし、これからのあとの世代のことを考えると、そういう意味で今回本当に心に響いたのが、この一文でした。」

櫻井「やはり珠生さんもそう?やっぱり多くの人がね、他の人にも聞いてみましたけれども、一番印象に残ったのがそこだったという方が多かったですね。私つい最近、シンガポールでの国際シンポジウムに出たんですけれども、そこでもアメリカの人とか、インドの人とか、それから現地の方からもですね、「70年前のことを、まだずっと謝りなさいという、中国と韓国はおかしい」と、中国と韓国という二つの国を名指しした非難が、国際シンポジウムの場で、繰り返し出てきました。ですからやはり、反省することは大事だけれども、70年経った今、まだまだ謝れ、まだまだ謝れ、韓国は「1000年経っても恨みは消えない」と言っているわけですが、そのような考え方自体がやっぱりおかしいのであるというのが、国際社会の見方だということを私達は知っておくべきです。安倍総理の談話は、そこをきちんと見て、「子供たちの謝罪は、なしにしましょうね」とはっきり線を引いてくださったことは、本当に良かったと思いますね。」

細川「それに、国際社会がそう見ている中で、また謝ると、日本の信頼が損なわれてしまう。」

櫻井「あまりにも自己を卑下する人は、他の人に認めてもらえないし、尊敬もしてもらえない、ということですね。本当に良いことだったということです。」

細川「そういう意味では、この70年談話、いろいろ心配しましたが、閣議決定をしたこと、それから、内容についても、出して良かったものっていうふうに、私たちは考えていた方がいいということですね。」

櫻井「終わってみたらバランスのとれた、前向きの立派な談話だったと思いますよ。」

細川「戦後70年の今日、先の大戦に何を考え、何を思うのか、一人一人の日本人が問われていると思います。」