卓球世界選手権1次リーグ ブラジル戦でプレーする浜本由惟
=クアラルンプール(共同)
卓球世界選手権1次リーグ ブラジル戦でプレーする浜本由惟 =クアラルンプール(共同)
 いまの日本女子の三本柱はいずれも身長150センチ台。石川157センチ、福原155センチ、伊藤154センチ。卓球では、低い位置でボールをとらえた方がいいという感覚から、身長が低い方が有利だという考えが根強い。

 しかし、身長の低い選手ばかりの中にあって高い打点を持つ選手が異彩を放つのも当然。世界の王座に君臨し続ける中国には実際、170センチを越える高身長の選手が登場している。2011、2015女子世界チャンピオンの丁寧選手は172センチだ。その丁寧を越える174センチの浜本への期待が高まるのは当然。浜本の打点は高い。得意とするフォアハンドからのスマッシュは角度がある。これが浜本自身にとっても大きな武器である上に、日本チームとしても得難い戦力であるのは言うまでもない。

 このところ、各スポーツの新星に出会うたびに、両親のいずれかが海外出身者という選手が多い。浜本はといえば、やはりそのひとり。母親が中国出身、1991年に日本で卓球をするため愛知県の桜丘高校留学してきた卓球選手だった。卒業後はデンソーで活躍。やはりデンソーのバレーボール選手だった父親と結婚し、生まれたのが由惟選手だ。父は身長191センチ。浜本由惟は長身でスポーツ実績のある両親を持ついわばサラブレッドだ。
期待の星が、どのように成長するか。着実に才能を伸ばし、世界の舞台で大きな花が開くことを祈るばかりだ。

 卓球界は、最初に書いたとおり、ジュニア時代から注目を集めた選手がその後も成長を続け、日本の中心選手として活躍を果たす数少ない競技のひとつと言えるだろう。幼くして、あるいは若い世代で脚光を浴びた選手が必ずしも大成しないのが残念ながらスポーツ界の常識にもなっている。典型的な例は高校野球。甲子園のスター選手が必ずプロ野球で活躍するとは限らない。怪我もあり、精神的な難しさもある。そんな中、着実に金の卵を育てる卓球界には敬意を表する。

 2020年の東京オリンピックに向けて、浜本由惟はJOCアカデミーに所属して厳しい練習の日々を重ねているという。目標を高く持ち、競争意識が高い中にも和やかな人間味も感じさせる卓球ジャパンの雰囲気の中で、浜本由惟がのびのびと才能を伸ばす姿を見せてもらいたい。