共産党では自分でなりたいからといっても絶対、候補者になれないんです。「俺、今度参議選に出るから公認してほしい」って手を挙げたら「ちょっとこいつは変わりもんやな」となる。個人の希望でなんて絶対ありえない。共産党にとって、議員であるか、党本部の勤務員であるか、党本部の選対局にいるか、あるいは赤旗の記者やるかというのは、それぞれの任務分担なんです。党員として何らかの仕事をしなければいけないわけで、ある人は選対局の任務を与えられ、ある人は赤旗編集局で記者の仕事、ある人は国会議員の秘書、ある人は候補者になりなさいと言われる。それはあくまでも党内での党員の任務分担なんです。任務分担として議員をやってるわけです。

未公開株をめぐる金銭トラブルを週刊誌に報じられ、記者会見する武藤貴也衆院議員=2015年8月26日午後、衆院第2議員会館
未公開株をめぐる金銭トラブルを週刊誌に報じられ、記者会見する武藤貴也衆院議員=2015年8月26日午後、衆院第2議員会館
 決めるのは党本部だけど、国会議員クラスになれば実際にはトップとかナンバー2が決めている。今なら委員長、書記局長クラスでしょう。僕らなんかでもだれを候補者にするかなんて相談は受けたことがない。共産党の人事というのはそんなものなんだよ。

 例えば常任幹部会って最高の幹部が集まる会議があるんだけども、そこで「A候補にしようか、B候補にしようか」っていう議論はありません。選対局から提案があって東京は誰々、大阪は誰々と会議で発表される。それは委員長、書記局長が了承しているものだから。参議院の選挙区なんかは都道府県で勝手に決めるわけです。ただし、東京とか大阪とか京都とか、絶対獲りたいところはもちろんこれでいいかどうかって討議をするんだけれども、青森でだれ、石川で誰を立てるかってことは県任せですよ。

 基本的に共産党員になれた時点で身体検査云々って話にはならないってこと。僕らが共産党に入った半世紀前はいきなり党員にはなれなかったんです。党員候補期間っていうのがあって、入党申込書に権力関係の有無とか、事件の前科であるとか全部書いて、長い入党の決意表明文を書いて、それが審査を通ったら、やっと党員候補になれた。労働者の場合は3カ月のお試し期間があって、正式の党員になる。

 当時、僕がAという人を口説いて入党を決意させ党の会議に持っていくと、ほかの党員から「彼はまだ意識が弱い」「まだ共産党員のレベルに達していない」「もうちょっと鍛えてからにしよう」と。こういうことをホントにやっていた(笑)。なんたって革命運動の前衛政党、労働者階級の前衛が共産党だから。革命の司令部だからそんなの誰でも入れないんですよ。それが革命政党の本当の姿だと思いますよ。今は、共産党に入りたいといったら「喜んでー」って入れるかもしれないけどね(笑)。

(聞き手/iRONNA編集部、溝川好男)