昨年から始まった私たちの国連委員会での発言で、独壇場を奪われた格好の左派系団体はとても焦っています。そして、今まで波風を立てず、その場しのぎを続けていた外務省も同じように焦っているのではないでしょうか。その焦りが日韓合意の中に「国連」と明記するに至った原因ではないかというのが、私の考えです。

 国際社会で定着した慰安婦問題の虚構を突き崩そうと動き出した保守民間団体を牽制することで、国連での激しい議論になるのを阻止し、自分たちが慰安婦問題にこれ以上関わらずにすむよう防御線を張ったのではないか。そのために、わざわざ「国連での非難、批判を控える」としたのではないかと思えてなりません。

国連女子差別撤廃委員会に先だって開かれた委員会とNGOの非公式会合の会場に集まった日本からのNGO
=2月15日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部(田北真樹子撮影)
国連女子差別撤廃委員会に先だって開かれた委員会とNGOの非公式会合の会場に集まった日本からのNGO =2月15日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部(田北真樹子撮影)
 政府や外務省が、国連で日本を貶めてきた左派系団体と議論するのを避けているのではないかという不信の念を抱くのには理由があります。

 CEDAWへの政府回答書は、各省庁からの報告が取りまとめられた後、内閣府の監視専門調査会で監査が行われます。監査にあたる有識者の多くが、実はこの国連の委員会に出席していた民間団体のメンバーなのです。もちろん調査会には外務省の担当者も参加しています。左派系民間団体と政府、外務省との蜜月関係を疑いたくなる状況なのです。

 また、内閣府が2月4日、東京で開催した「第4次男女共同参画基本計画及び第7・8回報告審査に関する女子差別撤廃委員会からの質問事項に対する回答等について聞く会」に出席した方の話を聞き、不信はさらに強まりました。

 今年3月の国連・女性の地位向上委員会(CSW:ニューヨーク)会合のサイドイベントとして、日本政府と日本女性差別撤廃条約NGOネットワークが公式イベントを共同開催するというのです。テーマは主に女性が直面する経済格差ですが、慰安婦問題についても言及するというのです。

 日本政府と左翼系NGOの蜜月状態がここまで来ているのかと正直驚きました。

日韓合意が国連回答に影響


 話がそれましたが、慰安婦問題での日本政府回答書が議論されるCEDAWのセッション開催が迫っていた1月末、衝撃的な情報が飛び込んできました。《11月末に提出されたと思っていた回答が実は提出されていなかった》というのです。

 このことについては2月1日付の産経新聞でジャーナリストの櫻井よしこ氏がコラム「美しき勁き国へ」で詳しく報告されていますが、私の把握した経緯もほぼ同じです。

 それによると、当初の回答は、朝日新聞が誤報を認めたことを説明し、吉田清治氏の「慰安婦狩り」証言は嘘であり強制連行を示す証拠は存在しないこと、慰安婦と挺身隊と混同したために20万人という数字が出てきたことをはっきりと記述。クマラスワミ報告書についても「一方的で裏打ちのない内容が記載され」ていると反論している内容でした。韓国が世界にばらまいてきた「朝鮮半島において20万人を強制連行し、性奴隷にした」という嘘を明確に否定していたのです。