「国連の委員会は、国際協定の解釈を変更して各国の主権を目立たないうちに侵害する方法を生み出した。国連は、五年、十年毎に『女子差別撤廃条約』や『子供の権利条約』の世界会議を開き、条約の再評価を行い、締約国の解釈や実施のやり方を変更させている。委員会は、年々、結婚している家族、両親の役割(特に専業主婦)、宗教的規範に対してますます敵対的な解釈を編み出している…条約は締約国間で注意深く協議して作成したものであるにも関わらず、新しい課題に対応する目的で、絶えず解釈を変更しているのである」(「家族、宗教及び国家主権を蝕む女子差別撤廃条約と子供の権利条約」)。

 フェミニズムによる「姿の見えぬ革命」は、こうして撤廃委の勧告などを通じて地球規模で進行している。この点を日本国民は重々承知すべきだ、ということを強調したい。日本の政治家は無知により、あるいは無責任に易々と国連に騙されたのだ。

自由主義社会を破壊する革命の「指令システム」


 次にCEDAWによるフェミニズム革命の「指令システム」を見ていこう。

 CEDAW第十八条は、原則として四年に一回、「この条約のためにとった立法上、司法上、行政上その他の措置等」に関する報告を国連事務総長に提出することを締結国に義務として課している。さらに第二十一条に基づき、撤廃委は、各国の報告について提案及び勧告をすることとなっている。これが、国連が「世界革命」を推進する有力なシステムとなっているのである。

 では、世界各国に対して委員会はどんな勧告等をしているのか。その内容は、CEDAWの正体が過激思想であることを歴然と示している。以下、一部を例示したい(各抜粋。ヘリテージ財団の分析資料による)。
◎対ベラルーシ「国連は、伝統的な女性の役割を推奨するような『母の日』や『母親賞』に象徴される性別固定的役割分担の考え方が支配していることを憂慮する。このような固定的役割分担を排除することを目的とする人権並びにジェンダー教育の導入が効果的に実施されているのかどうか憂慮する」(二〇〇〇年)
◎対アイルランド「国連は、政府に対して、家族計画と避妊器具の入手方法を改善し、十代の女性や若い女性にも入手できるようにすることを要請する」
◎対ベリーズ「女性の60%は労働市場に参加していない。育児施設が不足するため女性が労働市場で不利な立場にある(ことを委員会は憂慮する)」(一九九九年)
◎対中国「(国連は)政府に対して、売春の合法化を勧告する」(一九九九年)
◎対クロアチア「委員会は、クロアチアの法律において、女性の母親として及び育児者としての役割を一貫して強調していることを特に憂慮する」(一九九八年)
「(国連は)医師の良心的反対を理由にいくつかの病院で堕胎を拒否していることに憂慮を表明する。(国連は)この事実はリプロダクティブ・ライツ(堕胎権)の侵害であると考える」(一九九八年)
◎対チェコ共和国「委員会は、妊娠及び母親に対する過度の保護措置が増加していることを憂慮して留意する…女性の家族における役割を文化として賞賛しているが、これは、女性に関する経済的な合理性を求める政策に対する否定的効果をさらに悪化させる可能性があることを留意する」(一九九八年)
◎対ジョージア「委員会は、家父長制的文化の根強い存在、女性の母親としての役割を強調する振る舞いや態度を基礎とする政府の政策、家庭、公的生活における女性の固定的役割が広く認められることを憂慮して留意する」(一九九九年)
◎対インドネシア「国連は、既存の社会的、宗教的、文化的規範が、男は家族の長であり稼ぎ手であり、女は妻と母親の役割に限定しており、またこれが各般の法律に反映されていることに重大な憂慮の意を表明する」(一九九五年)
「委員会は、ジェンダー・イクウォリティの価値を反映するために政府が教科書改訂に努力していることに関して情報を提供するよう要請する」(一九九九年)

 例示すればきりがないが、これで十分であろう。 CEDAWに加入している限り、優しい母親はこの世から消え去り、女たちは十代になればフリーセックスを謳歌し、家族を放り出して外に出て働き、子供たちは「母の手厚い愛」を失って不良化し、夫族は呆れて離婚し、貧困母子家庭が増加し、町に売春婦が溢れるのは当たり前なのだ。女性たちもこれで幸せなのか。条約がこういう世界の実現を目指していることを日本の政治家は承知しているのか。実に不可解である。