ヘイトスピーチに対する法整備を求めて、いま国会では与野党を超えて、問題解決の動きが急速に進んでいる。わたしたち民進党(当時は民主党)、社民党、 無所属で提出した人種差別撤廃施策推進法案では、ネット上での差別と煽動をプロバイダーなどへの指導を介して、解決していく道筋を示した。与党案ではネット問題が入っていないが、この課題もこれからの協議事項だろう。実際のところ、問題ある映像や書き込みへの対処は、会社の倫理規範によって大きく異なっているのが現状だ。ここでも民間業社への啓発と教育が求められている。

 実感としていえば、ツイッター社の対応はこれまでに比べて迅速にはなっている。しかし管理規約のなかに差別的表現は許されないと規定し、指摘があればただちに削除するなどの対応を取らなくてはならないだろう。その実現を求めてヘイトスピーチに反対する有志たちのグループ「差別反対東京アクション」は、署名運動を進めている。本来なら企業イメージの向上のためにも、表現に関わる民間事業者は率先して国際人権基準を取り入れる必要が

 熊本地震をきっかけに、この日本社会の病理が匿名個人を介して噴出している。かつて関東大震災時のデマが実際に在日朝鮮人、東北人、社会主義者などの虐殺を引き起こした歴史を思い返さなければならない。

 現在のネットでの悪質でたわいないようなデマや煽動でも、被害当事者には暴力そのものなのだ。歴史の時間は進んでも日本社会のジメジメとした陰湿な差別の土壌はいまだ連続している。ましてや現実とは思いもよらぬきっかけで、何事かを引き起こすことがあるのだ。暗澹たる思いにうなだれることなく、ひとつひとつの悪意を双葉のうちに摘み取らなければならない。その機敏な行動は、今回の被災にあたって、いまこの瞬間にも続いているのである。