ところで、ネット上では案の定、熊本地震と原子力発電所の関係などについて、最初の地震の日からデマや嘘が飛び交っている。これは、東日本大震災時の経験からも、ある程度は予想されたことではあるが…。
 
 私はTwitterやFacebookなどを頻繁に更新しているが、その範囲で最も多く見られたのが、「今回の熊本地震で観測された最大地震動(1580ガル)は、川内原子力発電所の自動停止設定値(160ガル)を大きく上回っている。だから、川内原子力発電所を停止すべきだ!」というような趣旨の意見だ。

 確かに、今回の熊本地震では、4月14日に熊本県益城町で1580ガルという大きな揺れが観測された。この大きな揺れは、軟らかい地盤の影響によるもの。他方で、川内原子力発電所は、大きな揺れになりにくい硬い岩盤上に設置されている。
大きな被害が出た熊本県益城町=4月22日午前(産経新聞社ヘリから、竹川禎一郎撮影)
大きな被害が出た熊本県益城町=4月22日午前(産経新聞社ヘリから、竹川禎一郎撮影)
 同一地点の地表と地下それぞれに観測点がある熊本県益城町では、軟らかい地盤の地表では1580ガルだったが、地下の硬い岩盤の中では最大で237ガルだった。

 因みに、平成9年5月の鹿児島県北西部地震の際には、軟らかい地盤上の川内市(当時)中郷では470ガルの揺れが観測されたが、硬い岩盤上の川内原子力発電所では68ガルの揺れだった。

<資料3:実際の地震における軟らかい地盤と硬い岩盤の揺れの違い>
 

 余談だが、上記で紹介した朝日新聞社説の最後段では、「被災者らの不安をよそに、デマがネットなどに出回っているのは見過ごせない。災害の中では何よりも情報が安全を左右する。被災者や関係者は、公的機関などからの確かな情報の入手に努めてほしい」と書いてある。

 朝日新聞も、なかなか善いことを書いているではないか!!

 朝日新聞は、この社説を奇貨として、従来のような偏向報道姿勢を完全に払拭し、公正かつ中立かつ正確な記事だけを発してもらいたい(たぶん、無理ではあろうが…)。