この資料によってわかることは
・終戦直前には、朝鮮半島からの渡航者が約200万人いた
・そのうちの半数は1939年に徴用令が施行される前に渡航
・それ以外の半数100万人のうち7割は個別渡航と出生による自然増加
・残りの30万人の大部分は自由契約にもとづき内地に渡来
・国民徴用令により導入されたいわゆる徴用労務者の数はごく少数
・彼らに対しては、当時、所定の賃金等が支払われている(終戦時のどさくさを除く)。
・国民徴用令は、(朝鮮半島出身者を含む)日本国民全般が対象
・日本内地では1939年7月に施行、朝鮮への適用は1944年9月から
・1945年3月以後は朝鮮から日本への渡航が困難となった
・1945年8月から1946年3月までの間に140万人が朝鮮へ引揚げた
・その際、復員軍人、軍属および動員労務者等は特に優先的便宜が与えられた
・1946年3月の調査の結果、帰還希望者50万人中、実際に帰国したのは約8万人
・1947年3月350人が北鮮へ帰国
・朝鮮戦争休戦成立後、1958年末までに数千人が韓国へ帰国
・資料発表当時、登録されている在日朝鮮人の総数は約61万人
・そのうち戦時中に徴用労務者としてきたものは245人
・資料発表当時、日本に居住している者は全員が自分の自由意志によって日本に留まった
・資料発表当時、日本政府が本人の意志に反して日本に留めているような朝鮮人は犯罪者を除き1名もない。
・資料発表当時、在日朝鮮人のうち終戦前から日本にいるのは全体の65%
(これらの調査には密入国者や不法滞在者は含まれていないものと思われます)。

 私が、これを読んで一番注目したのは「したがつて現在日本政府が本人の意志に反して日本に留めているような朝鮮人は犯罪者を除き1名もない」というくだりです。これを素直に読めば、「母国に帰りたくとも帰れなかった」と言っている(言っていた)人たちは、嘘を吐いている(吐いていた)若しくは、当時は犯罪者であったということになります。

 私も、お役所の文章は一般の人よりは良く読んだ方だと思いますが、このような人の名誉にかかわるような内容の文章で「1名もない」という断定的な表現はめったにお目にかかりません。あれだけ多くの証拠がありながら小泉訪朝まで拉致問題に関して「疑い」という言葉を使い続けた事と比較すると、余程入念な調査を行ったのだろうということが推察されます。