今後は共働きが必須なのに首都圏の保育園は少なすぎる

 いま共働きの夫婦が増えている。私たちの若い頃、80年代から90年代にかけても男女雇用機会均等法ができて、共働きは増えた。ダブルインカムノーキッズ、DINKSなどともてはやされた。だが子どもができると、わが家もそうだったが、妻は会社を辞めて専業主婦になった。当時は、バブルがはじけてからもGDPは伸びていて、給料も同じ会社にいれば自然に上がるものだった。だったら辞めてもなんとかなるでしょ、ということで子育てに専念する女性がずっと多かった。

 いまはどうだろう。どう見ても、奥さんも働き続けたほうがいい。子育てで会社を辞めてしまうと、ほとんどの人はもう二度と正社員に戻れないからだ。この点をよく理解してもらうといいだろう。子どもが小学校に上がるくらいまでは子育てに専念したいと言う女性はいまも多い。だが日本の会社社会はそういう長いブランクを許さない。一度正社員の立場を離れてしまうと、その先はずっと非正規しかないのだ。だから、これからの時代は共働きを続けないといけないと私は思う。夫の側も、もう同じ会社にずっといればいい状況ではない。そのうえ、多くの会社がバブル以降やリーマンショック時に給与水準を大きく下げている。上の世代と若い世代で給与体系がまるで違う会社だって多い。子育て世代にとっては、共働きは必須だというのが、20世紀までと大きく違う前提条件だ。

 そして、子育てをしながら働くには、都心に近い住まいが必須となる。子どもを迎えに行かないといけないからだ。都心の職場で、例え時短勤務だったとしても、片道一時間以上かかる町に住むとお迎えが大きく遅れるし、その後のスケジュールも全体にものすごく遅くなってしまう。だから都心から30分圏内に住む必要がある。

 そういう共働き世帯が、首都圏に急激に増えているのがこの数年だ。リーマンショックがあり、東日本大震災があり、日本経済がもう大きく成長しないことが決定的になり、それでも子育てをしようとすると、都心に近い町に住んで共働きせざるをえないのだ。もちろん地方に行けば保育園は足りているし、楽に共働きできるかもしれないが、そんなに都合よく仕事が見つかるわけはない。少なくとも首都圏で働く男女が出会って結婚して子どもを持ったら、30分圏内の共働きになってしまうのだ。そういう夫婦が急激に増えていることが、保育園の圧倒的不足状況を生んでいる。子育て世代の共働きは“必然”なのだという状況を理解してもらいたい。