国連委員会の勧告を有り難がるのは田舎者


 日本人は国際機関のいうことを有り難がりすぎるが、これもひとつの例なので紹介しておく。

 フランス議会下院は、昨年11月のパリ同時多発テロを受けて発令された非常事態宣言を3カ月延長する法案を賛成212、反対31の賛成多数で可決し、非常事態宣言は5月26日まで延長されている。

 これについて、国連の人権問題専門家5人が1月に「過剰でバランスを欠く」として、これ以上延長しないよう求める共同声明を出したそうだが、左翼のオランド政権は、まったく無視し、圧倒的多数で延長が決まった。

 対ISの戦いは戦争だという認識から当然だ。国連の委員会などのいうことを有り難がる人など、フランスであろうがアメリカであろうがほとんどいないし、左翼政権であってもそうだ。
 あるいは、内部告発サイト「ウィキリークス」創設者のアサンジ容疑者が在英エクアドル大使館で約3年半籠城していることにつき、国連人権委員会作業部会は、「不当拘束に当たる」と裁定した。

 しかし、イギリス、アメリカ、スウェーデンは当然のことのように無視している。この委員会は慰安婦で「日本は責任を公式に認めて謝罪し、元慰安婦らに『完全な賠償』をするように」という寝ぼけた勧告をしたことがある。

 従えと田舎者の国連崇拝論者は騒いでいたが、国連の委員会の権威は英米やスウェーデンにすら鼻であしらわれるようなものなのだ

  少し前に、「署名も批准もするな! TPP署名式の直前に国連が各国政府にたいして異例の呼びかけ」という見出しのHPをTPP反対派がばらまいて悦にいっていた。これも、国連人権理事会の「独立専門家(Independent Expert)」であるアルフレッド・デ・サヤス氏が、TPPの署名式が直前に迫っている2016年2月2日に、関係各国政府に署名も批准も拒否するよう要請したそうだが、理事会の「独立専門家」の要請が「国連の要請」になってしまうのも困る。

 国連総会の決議でもアメリカなど相手にしてないくらいであるのに、委員会とか、あるいは単なる専門家がなに言おうが気にする必要ないのだ。

 私は、国連の委員会というものについて、一概に批判しているのではない。彼らはその分野の専門家として意見を言っているのであって、それはそれとして価値がある。

 たとえば、国内でも少年法についての委員会が、罪を犯した少年を過度に保護するような勧告を出してもいいのであって、ただ、それを社会的に採用するかは別の観点からの検討をすればいいだけだ。

 世界でも日本でも、専門家はしばしばマフィア化し、偏っているのも事実だ。そういうものとしてバランス良く彼らの活動を評価すればいいだけのことだ。少なくとも鵜呑みにする必要はない。

 国連の委員会など大して有り難がられているわけでないことを、英米仏などの馬耳東風ぶりからも認識しておくと良い事だけは間違いない。