公正な三流サヨク?

 故に報ステは、大衆が嫌悪する「ウソ」や「二枚舌」等の批判にも敏感だ。NEWS23やサンデーモーニングとは、一線を画す。

 例えば、NEWS23は最近、衆院議員を辞職した自民党の「育休議員」、宮崎謙介をめぐる不倫騒動を取り上げて、安倍政権叩きの格好の材料として非難していたが、一方で06年に山本モナとの不倫を報じられた民主党細野豪志については、非難どころか徹底的にスルーを決め込み、むしろ擁護の姿勢を示した。明らかに矛盾する対応だが、なにがなんでも保守系の政党を叩くという意味では、これは由緒正しい一流のサヨクである。しかし、報ステは、どちらのときも、ひとまず公平に批判していた。〝由緒正しい一流〟のサヨクから見れば、誤った三流の報道であろう。

 古舘やスタッフが特に「公正」や「正義」を重んじているのではなく、卑劣なウソや二枚舌は視聴者にそっぽを向かれるという当たり前の常識と処世術をわきまえていれば、そうなってしまうのである。いくら口先だけでは御大層な正義を振りかざしても、その態度がダブルスタンダードであれば大衆の支持は得られないことは、民主党やSEALDs等のサヨクの凋落を見ても明らかだろう。

 報ステはサヨクに対しても厳しい態度を示すことがある。15年3月27日には、反日サヨクとしてもてはやされていた元経済産業省官僚のコメンテーター、古賀茂明とバトルを展開した。

古賀茂明氏
古賀茂明氏
 その日、「サウジ主導の空爆続く 緊迫イエメン〝宗教対立〟」と題したニュースの中で、古舘が古賀にコメントを求めた途端、古賀は突然、電波ジャックともいえる行為を始めた。

「ちょっと、そのお話する前に、あの私、今日が最後ということでですね…」。こう切り出した古賀は、ニュースを無視して、自分がテレ朝会長と古舘プロダクション会長の意向で降板させられることになったとか、官邸からバッシングを受けたとか、サウジもイエメンも何の関係もない、自分の恨み辛みを、証拠も示さず滔々とまくし立てた。たまりかねた古舘は「ちょっと待って下さい! 古賀さん!」と強制的に中断させ、「それは違うと思いますよ?」と発言内容を否定した。番組を放送するテレビ局と自分の事務所の会長を批判されたのだから、慌てるのも当然と言えば当然だが、一流サヨクからみれば、「なんで官邸批判を止めるんだ」と不満なはずである。もちろん、常識ある視聴者の信頼獲得には大いに貢献したはずだが…。

 支那や北朝鮮に対する態度も、報ステの態度は他の反日報道番組とは一線を画し、「尖閣は日本領」という当然のことも、明確に報じてしまう。これも一流の反日サヨクから見ると、三流の行為であろう。

 例えば、11年12月13日、韓国海洋警察の隊員が中国漁船の船長に刺殺されたという事件関連のニュースは、報ステもトップで「中国漁船 船長らに『逮捕状』 韓国デモ〝激化〟…外交問題に『影』」と題し大きく報じたが、古舘は「日本の領土である尖閣諸島にも(中国漁船が)出没している」とコメントし、支那の脅威に警鐘を鳴らしている。一方、同じ日のNEWS23(NEWS23X)は、トップで「海洋警察の隊員刺殺 韓国で反発強まる 中国は…」と報じたものの、報ステと異なり、中国船の日本に対する蛮行には触れず、尖閣が日本領であること等はスルーした。

 NEWS23にとっては「反権力」は実は「反日」「反安倍」でしかないのだろう。先に示したように、同じ権力の側でも自民党の不倫は批判するのに、民主党の不倫には甘い。11年の東日本大震災の際には、当時政権を担当していた民主党に配慮したのか、原発放射能漏れ報道や政府批判も極めて抑制されたものだった。日本による過去の「アジア侵略」を口汚く罵る一方で、支那による侵略には甘いというダブルスタンダードを隠そうともしていない。支那によるチベット侵略を肯定するコメントも、VTRなどで多く紹介されている。「中国の行為を悪と決め付けるのは難がある」「中国は侵略したことのない国」等、もちろん番組がこれを全面肯定しているわけではないが、ぶっ飛んだ妄言にはただただ驚かされるばかりだ。

 しかし、報ステの「反権力」は、相手が支那でも民主党でも容赦がない。放射能についても11年10月18日に三番目のニュースで「足立区の小学校で3・99μSv 敷地内に土を〝仮置き〟」と報じ、古舘が「政府が出してくる情報の開示の仕方とかが信用されていない。だからこの前の世田谷はラジウムでしたけどそれも市民・市民団体の告発。今回も区民の方の通報」と民主党政権の稚拙な対応を批判した。NEWS23との違いは明らかである。