感想文レベルのコメント

 番組の取材力だけではない。古舘自身の無知無教養無定見による不祥事もある。最近では昨年11月16日の放送が特に物議を醸している。シリア問題やISのテロ問題について古舘はなんと「テロがとんでもないことは当然ですが、一方『有志連合』の空爆もテロ」などと、味噌もクソも一緒にした幼稚な床屋談義的たわごとを披露したのである。内戦で苦しむ難民達を救う解決法もろくに提示せず、無責任に小学生の感想文レベルのどっちもどっち論を展開する。それだけで「報道」を名乗れ、視聴率を稼げるのであるから、誠に気楽でボロい商売である。

 この時は何とか逃げおおせたが、番組で謝罪に追い込まれた例もある。05年6月10日の放送がそれだ。参議院北朝鮮拉致問題特別委員会に出席した拉致被害者、横田めぐみさんの両親である横田滋夫妻に対して、自民党議員の岡田直樹が北朝鮮に対する経済制裁の是非を問うたことについて、古舘は「想像ですけれども、北をとっちめたいと思うあまり、まるで非常に苦しい立場にいるご夫妻に、この覚悟はありやなしやと聞いているふうに聞こえちゃうんですよね。本人に確認したわけじゃないですけれども」「無神経な発言」だと発言し、岡田と自民党から「憶測に満ちた発言」と抗議を受けたのである。

 議事録をよく確認すると、岡田は「拉致被害者の方々、めぐみさんを始め拉致被害者の方々が、この経済制裁によって状況が好転すればいいですけれども、裏目に出て万が一、不測の事態が生じはしないかということが我々も心配でならない」「本当に言うに忍びないことを言い、聞くに忍びないことをお聞きしますけれども、そうしたおそれを抱きながらもなお今、経済制裁をとお求めになるのか」と、慎重な質問をしており、横田夫妻の気持ちを配慮したうえでの質問だったことは想像に難くない。私なども、古舘の言う通りにすれば、横田夫妻になんの相談もなく勝手に制裁の可否を決定してしまうことになり、それこそ「無神経」だと思う。しかし、古舘にはそういう思慮はない。さすがに、当の自民党からだけでなく視聴者からの批判も勘案したのだろうか、古舘は翌月になって番組中において謝罪している。