慰安婦問題で日本を非難する人たちは、自分たちが如何に酷い目にあったのかということを老女に語らせ、「ハルモニ(お婆さん)の言葉が信用できないのか」「彼女たちが証拠だ」などと、老婆を晒し者にして感情に訴えますが、一部の軍人が占領中のインドネシアでオランダ人女性に対して行った蛮行(処罰済み)などの個人的な犯罪以外は、何一つ具体的な証拠を提示さず、肝心なところは「プライバシーの問題だから、答えられない」と逃げを打って誤魔化します。彼らが「軍の関与があった」と提示する資料は、犯罪行為の取り締まりや衛生環境の保持など軍政下では当然行われるべき行為を記録したものでしかなく、現代日本で警察が風営法でいかがわしい店を指導し取り締まっているのと同じことです。我々は確たる証拠もなしに先人が犯罪を行ったと言われて「はいそうですか、すいません」と謝ることなどできる訳もなく、証拠の提示を求めるのは当然の行為です。
3月11日、ニューヨークの国連本部で、元慰安婦と会談する潘基文国連事務総長(共同)
3月11日、ニューヨークの国連本部で、元慰安婦と会談する潘基文国連事務総長(共同)
 例えば、自分の親の死後、突然、隠し子を名乗る人物が現れ財産を要求すれば、ほとんどの人がDNA鑑定を要求するのではないでしょうか。もっと言えば、父親や祖父が死んだ後に、老婆が現れ「私は、あなたの父親(祖父)に性奴隷にされたので、謝罪と賠償を要求する」と言い、近所や自分の勤め先に、そのことを言いふらされたら、どうしますか。おそらくほとんどの人が、その行為をやめさせ、その老婆の証言の信憑性を確かめようと思うはずです。そして、その証言が虚偽だとわかれば詐欺や名誉棄損の罪で訴えるのではないでしょうか。ところが我が国では、何が何でも過去の日本は悪かったと思い込んでいる人たちが、老婆の証言を盲信したのか何か別の理由があるのかわかりませんが謝罪してしまいました。

 その結果、欧米諸国からも「日本が罪を認めた」と白い目で見られるようになってしまったのです。つまり、この問題は何らかの意図をもって虚偽の事実を世界に向けて広めようとしている人たちの宣伝活動と、それに対して何も反論してこなかったばかりか自己保身のために謝罪した日本政府により、世界中にあたかも事実であったかのように広まり、事実でないと認識しているのは日本(日本国内にも事実であると信じている人は少なくない)だけで、国際的には非常に不利な状況におかれているということです。そして韓国は、日本が客観的事実に基づいて抗弁しても、それが自分たちに不利なことであれば「妄言だ」と取り付く島もないような態度で話し合いすらできないのが現状です。

 だいたい、この問題で日本が守ろうとしている「先人の名誉」を、韓国はこの問題を利用して逆に貶めようとしているのですから二国間で話がまとまる訳がありません。このような場合は直接交渉するのではなく、まずは周りの国の誤解を解いていくことが肝心です。