英国がEU離脱した場合の中期的な問題


 国民投票は6月23日の現地時間7:00-22:00に実施されるが、その後、結果は地域毎に順次発表される。最終結果は24日の「(英国)朝食時間頃」とされているが、現地時間の午前5:00頃、つまり日本の24日午後1時頃にはある程度の予想ができるはずだ。

 離脱が多数となった場合には、欧州連合条約第50条(連合からの脱退)に従い、キャメロン首相がEU理事会に脱退の通告を行うことになるだろう。基本条約はこの通告から2年で効力を失うため、それまでに英国はEUや複数国との間で個別国家間交渉に基づいた社会・経済条約や協定を新たに築いていかなくてはいけない。

 ただし、EU28カ国中、英国同様に経済的スポンサーとなっているドイツ、フランス、オランダ等では、同じような(EU離脱)世論が盛り上がるリスクを避けるためにも、離脱決定後の英国へは冷淡な外交姿勢が予想される。

 英国財務省はあらかじめEU離脱をした場合の経済インパクトについて、2種類の試算を発表している。離脱後、EU単一市場にアクセスできるケースと、そうでないものだが、いずれもGDPはマイナス成長、インフレ、失業増加、そして賃金低下等、明るい話は全くない。ジョージ・オズボーン財務大臣は、支出縮小と税徴収の拡大で対応するしかない、と明言している。

 また、英国国内のEU離脱に関する世論調査を見ても、そもそも50歳前後の年齢層を境目に、若い世代は「残留」、上の世代は「離脱」と二分している。仮に離脱となると、労働生産性が相対的に高い若い世代のモチベーションはどう経済に影響を及ぼすであろうか。

 英国でもEU圏内でも、政治・経済の両面から中期的に好ましくない状況が続く。