今回の事件の後、世界の多くの首脳が、テロ批判とフランスへの弔意を表明した。しかし、シリアのアサド大統領だけは、この事態を招いた責任の一端はフランスの行動にあると言った。ドイツメディアはそれを的外れであると非難したが、すでに一年前、ドミニク―ドヴィルパン仏元首相は、「(イラク空爆は)世界各地に散らばるテロリストを我が国に呼び込むことになる」と警告していた。ドイツメディアはそれを思い出すべきではなかったか。

 いずれにせよフランスは、1月のシャルリ・エブド事件以後、厳戒態勢でテロに備えていると言われていた。なのにパリに、当たり前のようにカラシニコフが何丁も存在したということが、フランス人のみならず、EU市民にショックを与えた。これではEUの国境などスカスカではないか。治安は保たれていないのだ。

 しかもテロ事件直後にドイツ警察が、実は11月5日、ドイツ南部のバイエルン州のアウトバーンで、車に巧妙な細工をしてカラシニコフ8丁、拳銃2丁、手榴弾2個を隠し持っていた男性を拘束していたと発表した。拘束されたのはモンテネグロ人で、車のナビの行き先はパリに設定されていた。

 車で見つかったカラシニコフが8丁で、今回のテロの犯人が8人。しかし、この銃がなくてもテロは成功した。ということは、パリで計画されているテロは他にもあるのか? パリにはあとどれだけの武器が隠されているのだろう。

 報道によれば、武器は、多くがモンテネグロ経由で密輸されるそうだ。旧ユーゴは麻薬や武器を扱う犯罪組織が暗躍していることで有名だが、まさにそのバルカン半島を通って、多くの難民がやってくる。EU市民にとってこれ以上の脅威はない。

 11月18日の時点で、今回のテロ事件で死亡した犯人のうち、身元が判明しているのは5人らしいが、詳細は発表されていない。何人かはフランスなどEU国籍を持っていた。