繰り返される過ち断ち切るために


 私は不思議に思ったことがある。南京問題小委員会の勉強会で、戸井田小委員長が次々と提示してくれた資料の中に、東京裁判の判決で日本軍が「南京で二十万人の虐殺(松井総司令官個人の判決では十万人)」をしたという数字を根底から覆す「スクープ記事」の存在だ。

衆議院予算委員会で「南京」など反日プロパガンダが教科書や入試に実害を与えている事例を示しながら、是正を訴える西川氏=平成25年4月10日
衆議院予算委員会で「南京」など反日プロパガンダが教科書や入試に実害を与えている事例を示しながら、是正を訴える西川氏=平成25年4月10日
 例えば〈〝南京虐殺〟数の積算根拠は、「『南京事件』後四カ月間に十一万二千二百六十六人の遺体を処理したという崇善堂の埋葬記録を検察側が加算した結果である。しかし、南京事件後四カ月間、崇善堂が活動していなかった事は、昭和六十年八月十日付産経新聞が報道した阿羅健一氏のスクープ記事で証明されている〉と総括文書に記載されていたのである。

 ところが、この「スクープ記事」は〝南京大虐殺〟否定派の著書で、それまでほとんど紹介されたことがなかった。それぞれの立場で検証し、明らかになったことは、互いにフェアに認め合い、積み上げて行くことが大切だと思う。

 歴史議連の総括は、一次資料を中心に、戸井田衆院議員が、阿羅健一氏、佐藤和男氏、水間政憲氏の協力によって客観的にまとめられたものである。

 現在、北東アジアの政治情勢は、「南京戦」以前に戻りつつある感がする。

 さらに、共産党政権の中国は、反日宣伝を一層強化し、南京攻略戦から七十年後の平成十九年には、アメリカ下院本会議「従軍慰安婦非難決議」を実現させ、二十七年には国連のユネスコをも籠絡し「南京大虐殺文書」を世界記憶遺産に登録させた。

 それゆえ「南京戦」を詳細に調査検証することは、非常に重要なことである。

 繰り返される過ちを、断ち切るためにも。

(平成十九年十一月発行「別冊正論8」掲載のものを若干加筆した)



にしかわ・きょうこ 昭和二十年東京都生れ。昭和四十三年早稲田大学教育学部卒業。翌年結婚と同時に熊本県津奈木町に移る。平成八年自民党熊本県連女性部長となり、十二年の比例九州ブロック初当選以来衆院議員を四期務める。三期目は郵政法案造反者の対立候補として地盤のない福岡十区でミカン箱に立って街頭演説を続け勝利した頑張り屋。厚生労働副大臣、文部科学副大臣、党政調副会長などを歴任。党「日本の前途と歴史教育を考える会」事務局長だった十九年六月に同会南京問題小委員会が調査総括を発表。戦後歪められた日本の歴史や伝統を見直す活動を続け、過度の男女共同参画や夫婦別姓などに反対し、日本の「良き家庭」堅持に努める。二十六年衆院選で敗退したが、九州を中心に憲法改正論の普及など政治活動を続け、歴史や伝統の啓発を続ける。夫の裕氏は津奈木町長。