第一は非科学的な宣伝だ。先日、ある浄水器メーカーのショールームに立ち寄ったところ、水で赤茶けたクリップの横に水素分子を含むアルカリ性電解水に入れられたクリップが置かれていた。錆びていない。水素分子に鉄錆を防ぐ力は全く無く、これはアルカリの特性によるものだ。そもそも鉄が錆びないからといって我々の身体で活性酸素が減るわけではない。

 さらに「抗がん効果がある」といったひどい宣伝まで見かける。厳しい状況に置かれた患者さんにつけ込むような行為は許せない。また、活性水素や還元水素、マイナス水素イオンとは何であろう?我々が探求している水素分子とは別物だと理解している。

 第二は水素分子が入っているのか不明な商品群だ。無味無臭の水素分子だから、測定器無しでは入っているのか全くわからない。動物実験の結果から考えて、飽和の半分である0.8ppm程度の濃度は欲しいところである。

 水の電気分解による装置は電極の性能によって水素水を造る量と速さが決まる。1杯目は良くても2杯目は水素分子が検出できないというケースも考えられる。この時に陽極で発生する有毒なオゾンの混入は抑えられているのであろうか?

 一方、アルミパウチに入った水素水は比較的安心できるが、それでも問題がある。充填時は過飽和の2ppmなどと表記されている商品でも購入して実測すると1ppm程度だ。すでに半分抜けているのだが、これが高温の保管庫に置かれているとさらに激減する。たまに信頼しているメーカーの商品をスーパーで購入するが、濃度が0.5ppmに満たないことがある。保存状態に問題があったのだろう。消費者に安定供給するための企業努力が求められる。

 第三は、1日にどのくらいの量を飲めば良いのか十分なデータが無いことだ。一口で良いのか、1リットルなのか要検討である。

 神秘の水でもなく、特別な人にだけ効果があるわけでもない水素水。内外の研究者が万人の健康長寿に役立てようと研究を続け、毎年出される科学論文はカテキンの1/10程度に達する。歴史と研究者の数から考えて、この数は決して少なくない。今後、人でのデータが益々増えるものと期待される。