天皇の退位による政治的影響についても、天皇が右向けといえば、政治家が右を向くようでは、天皇の権力が助長されることになり、当然、現行憲法は禁じていますが、退位は、皇室のあり方の問題にすぎず、やめたいという意思まで無視しうるものではありません。憲法上は、国民の総意に基づくとある以上、皇室典範の改正により退位を認めるのであれば全く問題はありません。政権による天皇の政治利用は、憲法上も禁止されていますから政治利用に関する責任は内閣が負うことなります。

 なお憲法に摂政の規定があるから退位ができないというのは詭弁の類です。摂政を置くか退位するかは単なる選択の問題に過ぎないからです。今後は、退位の自由を認め、そして皇室離脱の自由こそ認めていくべきものです。
英国のウィリアム王子を昼食に招き、玄関で出迎えられる天皇、皇后両陛下=皇居・御所
英国のウィリアム王子を昼食に招き、玄関で出迎えられる天皇、皇后両陛下=皇居・御所
 それにしても摂政とは聖徳太子を彷彿させますが、このような規定はあまりに時代がかっています。右翼が喜びそうですが、自民党の三原じゅん子議員は神武天皇は実在しているとか発言したそうですが、身の毛がよだちます。
 「三原じゅん子氏『神武天皇は実在の人物』と認める 池上彰氏が質問(参院選)
 「(池上)――神武天皇は実在の人物だったという認識なんでしょうか?(三原)そうですね。いろんなお考えがあるかもしれませんけど、私はそういう風に思ってもいいのではないかと思っています。」
 
 元号はおろか皇紀をつかって喜んでいる議員もいました。山谷えり子氏です。
 「『○山谷えり子君 今年は平成二十三年、西暦二〇一一年ですが、皇紀何年でしょうか。○国務大臣(枝野幸男君) 存じ上げません。○山谷えり子君 神武天皇様が御即位なさってから、今年は皇紀二千六百七十一年。』」

 皇紀なんて論外ですが、元号も頻繁に変更されても不便この上もないものです。世界に通用しない元号など廃止し、西暦で統一すべきです。(猪野亨公式ブログ 2016年7月16日分を転載)