苦境に立たされる排外主義~自民党への回帰


 今次都知事選挙の結果は、筆者が再三指摘してきたいわゆる「ネット保守層」の中でも、さらに最右翼の「行動する保守」の量的輪郭が明瞭に浮かび上がったものとして興味深い。筆者は、2014年冬の衆院選の結果、特に「自民党より右」を標榜した次世代の党の得票から、全国における「ネット保守層」の人口をおおむね200万人と推定した(過去の筆者記事参照)。

 この「ネット保守層」の全国的な量的趨勢は、先月行われた参院選でも余すところなく立証されており、旧次世代の党の支持者が同党を引き継ぐ「日本のこころを大切にする党」から半分近く離反し、綺麗に自民党候補への支持に回帰しているのである。この傾向は、当然、すでに述べた通り、今次都知事選挙でもネット保守主流派の多くが小池氏に投票したことからも明瞭である。
 これは、安倍長期政権が盤石なものとなり、「自民党より右」をかかげてネット保守層からの耳目を集めた旧次世代の党が惨敗、壊滅したこと。さらに2016年4月に、同党から出馬した田母神俊雄が、公職選挙法違反の容疑で逮捕されたことによる「ネット保守界のスター喪失」を原因とする。「ネット保守層」に田母神氏を超える超新星が存在しない以上、彼らは次世代の党誕生以前の状況、つまり自民党支持に回帰せざるを得ないのである。

 嫌韓、排外の主張には潜在的に共感を示すネット保守層の中でも、それでもなお頑強に「行動する保守」の旗手である桜井氏を支持する最右翼の層は、おおむね2割程度であり、非主流派であることが、今次都知事選挙の結果、決定的となった。全国のネット保守層のおおまかな量的輪郭を200万人とすると、この非主流派、つまり「ネット保守層の中でもさらに過激」な層は、おおむね30~40万人という程度になる。