國分 先日、道路問題をめぐるイベントを開いて、吉野川の可動堰建設をめぐる住民投票で尽力された村上稔さんという方に来ていただいたのですが、村上さんがとてもあっさりと、「いやあ、まだまだいろいろやることあるんじゃないですか」とおっしゃった。それでスーッと胸のつかえが取れました。

 住民投票が不成立に終わって、もう打つ手がないんじゃないかと、僕自身、とても落ち込んでいたんです。でも、それを口に出しては言えなかった。運動をやっていた他のメンバーも実は同じだったようで、イベント後の打ち上げで、みんな口々に、「いやあ、ほんとはもうダメなんじゃないかと思ってました」「ずっと落ち込んでました」と。村上さんの話を聞いて、まだできることがあると気がついて、初めて正直な気持ちを言い合えました。

 僕が今、個人的に考えているのは、『来るべき民主主義』の付録1として収録した交通量の話をもっと主張しようということです。東京都が道路建設の根拠として出してきた、「これから交通量が増える」という数字はウソだということを論証しています。僕、この本でいちばん苦労したのが、付録1の数字のところなんですけど、なかなか言及してもらえない。まぁ、2回ぐらい読まないとわからないって言われましたし(笑)。だから、もっとわかりやすくしてパンフレットにしようかなと思ってます。

上野 この部分はエビデンス・ベースドの議論で、とっても社会科学的ですね。

國分 まあ、いちおう社会科学出身なんですけれど(笑)。

上野 50年前はモータリゼーション勃興期でしたから、交通量が増えるという予測でしたが、50年経ったら人口減少社会ですから、交通量予測はほとんど下方修正してますよ。非常に説得力のあるデータだと思いました。

國分 ありがとうございます! 社会学者の上野先生からそう言っていただくと嬉しいです。