接種後に症状が長期化した女子の数


 ワクチン接種後、日常生活に支障がでるほどの副作用が数か月続く頻度が、何万人に一人なら、あなた、あるいは、あなたの娘への接種を容認するであろうか。50~100万人に一人なら、大多数の人はリスクを許容すると思う。5~10万に一人なら、少なからずの人々は接種を控えるのではあるまいか。5~10万に一人がそうなってしまうようなワクチンを厚生労働省が医薬品として認可するとは考えられないのではなかろうか。

 約338万人が接種(延べでない)した。もしも5万人に一人ならば、68人くらいしか深刻で長期にわたる健康被害は発生してないこととなる。その程度の発病者数であれば、被害者会が発足するような事態にはなるまい。
 
 厚労省が昨年公開した報告書より引用。

未回復の186人の生活状況は、入院した期間あり87人、

日常生活に介助を要した期間あり63人、

通学・通勤に支障を生じた期間あり135人

 この186人という数値は、あくまでも医療機関が副反応疑いとして自発的に報告した2584例のうち、どうなったか判明した1739例についてのもの。186人の全員が長期にわたり日常生活に支障をきたしたわけではない。「期間」ありという表現が「今はそうではない」ということを必ずしも意味するわけでもない。

 被害者会に登録されている患者は約550人。登録者の全員が「日常生活に支障がでるほどの副作用が数か月ないし今日まで継続している」わけではないことは言うまでもない。被害者会の550人中の3分の1、すなわち183人が「長期にわたり日常生活に支障をきたした(ている)」と仮定し、厚労省調査で未回復の186人という数値を参考に推定しみよう。

 「二万人に一人」との推定頻度になるのだ。338÷2=169。183・186を少なめに169とするならば。「二万人に一人」という推定頻度は、娘への接種を控えさせるに十分に高いのではないのだろうか。

提訴のため車椅子で大阪地裁に入る原告=7月27日、大阪市北区の大阪地裁
提訴のため車椅子で大阪地裁に入る原告=7月27日、大阪市北区の大阪地裁

中枢神経系の機能異常


 多彩な症状の多くは中枢神経系の機能異常そのものであるが、客観的な検査による機能異常に関連する生理的異常の裏付けはまだまだ不足している。私が注目したのは、2015年5月、日本神経学会における信州大病院の医師による報告。症状を説明できる脳の特定部位において、頭部MRIでは異常はないが、血流ないしブドウ糖取り込みの異常が認められたとのこと。

 ちなみに、同大学の池田修一教授はマウスでの実験結果の途中経過をマスコミに公開した。脳内炎症の存在を「示唆」するという控えめの結論であったが、その手法について一部の医師は「ねつ造」との行き過ぎた表現をし、それどころか教授の人格も攻撃した。中枢神経系の機能異常は厳然たる事実であり、そのことに疑問を呈する医師は私の知る限りいない。

 池田教授は中枢神経系の機能異常についての仮説を検証するためにマウスで実験しただけのことであり、同教授の手法に一定の限界があるのは医学研究の経験がある医師には自明のこと。研究手法の限界を理由に、中枢神経系の機能異常の存在自体を否定することは原理的に不可能なことを念のために強調しておく。