西岡力(東京基督教大学教授)
安倍総理の意向に沿っていない外務省HPの記述
〈日本が軍の関与があったと認めたことで、この記者発表が行われた直後から、海外メディアでは日本が恐ろしい国であるとの報道が流れています。日本人はにこにこしているが、その本性はけだもののように残虐であるとの曲解された日本人観が定着しつつあります。今回の共同発表後の世界の人々の見方が取り返しの付かない事態になっていることを、目をそらさずに受け止める必要があります。
外務大臣は、今回の日韓共同発表が日本人の名誉を著しく傷つけてしまったことについて、どのようにお考えでしょうか。〉

朴槿恵大統領=2016年3月1日、ソウル(共同)
〈先ほど外務大臣からも答弁をさせていただきましたように、海外のプレスを含め、正しくない事実による誹謗中傷があるのは事実でございます。
性奴隷あるいは二十万人といった事実はない。この批判を浴びせているのは事実でありまして、それに対しましては、政府としてはそれは事実ではないということはしっかりと示していきたいと思いますが、政府としては、これまでに政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったという立場を辻元清美議員の質問主意書に対する答弁書として、平成十九年、これは安倍内閣、第一次安倍内閣のときでありましたが閣議決定をしておりまして、その立場には全く変わりがないということでございまして、改めて申し上げておきたいと思います。
また、当時の軍の関与の下にというのは、慰安所は当時の軍当局の要請により設営されたものであること、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送について旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与したこと、慰安婦の募集については軍の要請を受けた業者が主にこれに当たったことであると従来から述べてきているとおりであります。
いずれにいたしましても、重要なことは、今回の合意が今までの慰安婦問題についての取組と決定的に異なっておりまして、史上初めて日韓両政府が一緒になって慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した点にあるわけでありまして、私は、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかないと考えておりまして、今回の合意はその決意を実行に移すために決断したものであります。
中山 総理の今の御答弁では、この日韓共同記者発表での当時の軍の関与の下にというものは、軍が関与したことについては、慰安所の設置、健康管理、衛生管理、移送について軍が関与したものであると考え、解釈いたしますが、それでよろしゅうございますか。
安倍 今申し上げたとおりでございまして、衛生管理も含めて設置、管理に関与したということでございます〉
