当時フジテレビ解説委員だった私は、さっそくBSフジのプライムニュースで『高齢化社会の特効薬? ウーマノミクスと日本 女性参画で成長戦略を』と題してこの問題を取り上げた。当時永田町もマスコミもほとんど関心がなかった中、いち早くこの問題に取り組んだ小池氏の先見性が見て取れる。

 そして小池氏は国際派である。日本において、英語、アラビア語が堪能である、稀有な政治家であろう。2007年、第一次安倍内閣で防衛大臣だった小池氏が、米国訪問中、国務交換コンドリーザ・ライス国務長官と会談、「私は日本のライスと呼ばれている。ライスは日本では米(こめ)、マダム・スシと呼んで」とジョークを飛ばしたが、英語でこれが出来るのは強みだろう。エネルギー安全保障上重要な中東諸国とリーダーとアラビア語で意思疎通が出来るのも大きい。

リオデジャネイロ五輪閉会式出席のため、ブラジルに出発する小池百合子・東京都知事=8月18日、羽田空港(納冨康撮影)
リオデジャネイロ五輪閉会式出席のため、ブラジルに
出発する小池百合子・東京都知事=8月18日、羽田空港
 そして小池氏は強気と思い切りのよさが身上だ。2007年防衛相に就任した直後、「防衛省の天皇」と呼ばれていた守屋武昌事務次官(後、収賄容疑で逮捕、起訴され実刑判決)を更迭し直後に辞任したと思ったら、2008年の自民党総裁選に女性として初めて立候補するなど、絶えず大衆の耳目を引く存在だったことは間違いない。

 そしてしばらく鳴りを潜めていたと思ったら、今回の東京都知事選への立候補だ。座して死を待つような政治家でないことはわかっていたが、党の推薦なしに2位増田候補に110万票の大差をつけての圧勝、予想を裏切らない“強気勝負“に驚いた人も多かったろう。そして「都議会のドン」なる内田茂都議会議員を仮想敵に仕立て上げる”戦略家“としての顔を改めて国民に焼き付けた。

「出る杭は打たれる」

 この国において、突出した政治家であることに異論あるまい。小池氏がヒトラーなのか、どうか、などという議論は意味がない。我々有権者が知りたいのは、この「杭」が今後どう都政の闇にくさびを打ち込むのか、という一点だ。

「出過ぎた杭は引っこ抜かれる」

 そうならないことを祈る。