金正恩のまわりの何人かを除くと、みなカネが全てと考えている。権力層の息子らはみな、外貨稼ぎ部門にいき、やりたい放題ドルを使っている。国家保衛部長金元弘の息子金チョルは外貨稼ぎの利権を父親の威光で従来の業者から奪い、怖いもの知らずでカネ儲けをし「セキ(子供)保衛部長」と呼ばれている。彼は、平壌で仲閒を引き連れ遊んでいる。いつかあの一家も殺されるとささやかれている。金チョルは金正恩の実兄正哲らとグループを作って平壌で贅沢三昧をしている。正哲は金正恩の了解もらわず海外に出かけている。保衛部もどうしようもない。

4月に北朝鮮の労働新聞が掲載した金正恩第1書記(中央)の写真
4月に北朝鮮の労働新聞が掲載した金正恩第1書記(中央)の写真
 ついに、昨年から党の秘密資金が枯渇しはじめた。各地方の党責任書記には外貨上納が割り当てられ、それができないと地位を追われる。軍や治安機関幹部らさえ金正恩への忠誠心はない。近く金正恩政権は倒れて、改革開放政権ができることは必至で、そのときまとまった外貨を持っていて鉱山などを買い占めればよい暮らしを維持できるが、それに失敗すれば軍や党の幹部もみな乞食になると考えている。

 ソ連が崩壊したとき、外貨を持っていた者は油田やガス田などを買い占めマフィアになったが、それ以外の幹部は使用人となったと、陰で話し合っている。平壌の幹部は改革開放に備えて100万ドル集めることを目標にしており、地方幹部は10万ドルを目指している。物資の横流し、ワイロ、情報を海外に売るなど、地位を利用してカネになることなら何でもする。

 金正恩があまりにも多く粛清、殺した。軍では軍団長、師団長クラスは簡単に殺す。党、軍、保衛部ではみな側近になりたがらない。昇進しても一切助言はせず、与えられたことだけする。

 昨年の玄永哲人民武力部長公開処刑を見てみな恐れている。姜健軍官学校で行われた公開処刑を参観させられた軍幹部ら、俺たちは何のために生きているのかと感じ、忠誠心を失った。金儲けしか考えていない。

 在外公館も本国から外貨は来ず、自給を強いられている。大使の月給が千ドル程度で麻薬や密輸で稼ぐしかない。海外で秘密資金の持ち逃げが続出している。昨年、香港で500万ドル、ロシアで600万ドル持ち逃げされた。秘密資金を管理している党39号室関係者が外貨を持って韓国に逃げた。韓国政府は私有財産は没収しない。