民進党の「変わらぬ体質」


 だが、それ以上に今回改めて浮き彫りになったのが、民進党の「変わらぬ体質」である。

 民進党に対しては、これまで党内外から「他人や他党は攻撃するが、自らは反省しない」「私事ばかり重視し、公人としてのコンプライアンスやガバナンスの問題は重要視されない」などという批判が浴びせられた。

 実は、国民を代表する国会議員として重要な「国家統治権」、つまり「国家ガバナンス」の問題は既に2009年以降の民主党政権時代から、多くの党所属国会議員の間で「我が党にはガバナンス(国家統治)意識が必要だ」などと議論されていた経緯がある。

民進党の代表に決まり、一礼する蓮舫氏=15日午後、東京都港区(福島範和撮影)
民進党の代表に決まり、一礼する蓮舫氏=9月15日、東京都港区(福島範和撮影)
 しかし今回、大問題となった蓮舫氏の「二重国籍問題」への対応を見ても、民進党議員が「国家の統治権」に対する正常な判断を下したとは、到底思えない。残念ながら「国家の利益よりも私事の利益を大事にする」といわれる党の体質は、変わっていないと指摘せざるを得ないだろう。

 さらに今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」は、振り返ってみれば、日本の「戦後レジーム」の枠組みを表す象徴的な問題であり、民進党は「日本の戦後体制というシステムを一切変えない」と宣言したようなものである。

 戦後日本国内では、本来は憲法にも違反し、国籍法でも違法であるはずの二重国籍を持ちながら、日本に住む人の被選挙権が、事実上認められてきたーという非合理的かつ不可解な状態が今回明らかになった。これは、実は戦後占領下の日本政府が、GHQ(連合国軍総司令部)の指示通りに行われた公職選挙法によって決められていたという経緯がある。

 だからこそ、「二重国籍者」であったはずの蓮舫氏のように、国会議員になれるだけでなく、民主党政権下では閣僚にも就任し、今後は自衛隊の指揮権を持つ総理大臣にまでなれるチャンスを手にできるのである。むろん、他の先進国ではあり得ないような歪(いびつ)なシステムだが、日本の占領下では「日本の弱体化」させておくことを目的としたGHQの指示という「レジーム」がこれまで残り続けてきた。そのために、今でも日本国内の「二重国籍者」は、なろうと思えば総理大臣にまでなれてしまうという問題が、今後も続いていくことを意味するのだ。実際にアメリカなど先進国では、核ミサイルのスイッチを持つ大統領には「二重国籍者」を絶対に就任させない。

 今回の民進党代表選を見て、私は蓮舫氏が「圧勝」した結果に対して、心底残念に思っている。それは、これまで彼ら自身が真剣に日本の国益を守るための「国家統治権」を考えてこなかったという経緯を反省していないからだけではない。民進党は結局、戦後日本国憲法を含めた日本にとっての「不条理」や「不合理」を強いられきたさまざまな戦後問題を「このまま何もしないで解決しない」と言っているように見て取れるからでもある。