土本典昭監督の教え「記録なくして事実なし」

 ―警察が映像撮影を妨害することはないのですか?

 藤本 最近はないですが、でも例えば7月22日はそうでした。

 影山 私たちだけではなくて、メディア全部、完全に排除されました。

 藤本 何キロも先で全部止めて中に入れない。既に中にいる人間はしょうがないから、撮影している分には直接妨害することはないけれど、そこを一回離れたら二度と戻さないというような形で、撮影をなるべくさせないということはやっています。機動隊が「お前たちはメディアと認めない」と排除しようとするから、「あなた達が決めることではない、何を言っているんだ」と言ってそのまま撮るんだけど、何人かに取り押さえられて。現場から出されることもあります。

 影山 撮影する際のフットワークが悪いと、「はい、そこ! プレス排除!」って言われ、すぐに排除されてしまうんです。

 藤本 混乱すると、時には僕たちだけでなくて琉球新報とか沖縄タイムスなど新聞社も排除されます。

 影山 琉球新報と沖縄タイムスはローテーションを組んで、常時現場に来ていますね。辺野古の取材にしても北部の人だけがくるんじゃなくて、那覇とか中南部の人も来て、今日は誰琉球新報と沖縄タイムスは一緒になることが多いですね。その沖縄2紙と森の映画社は臨時制限区域の中に抗議船があれば入りますけど、大きいメディアの方は入らない。実際の現場には彼らは近づかないことになっているのかな。中に入れば刑事特別法で逮捕起訴の対象になり得るからでしょうね。
沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古沿岸部=6月
沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古沿岸部=6月
 藤本 そんなことを言っても入らなければ何も見えないんですよ。だから入るけれども、東京から来たような大きいメディアの人はそういうことがあったら困るから、あえて入らない。でも遠くから見ていたって何も見えないですよ。

 影山 最近は陸の上から望遠撮影も多いですね。

 藤本 とにかく現場で起こっていることを記録し続けようということです。土本典昭監督が常々言っていたことだけれど、「記録なくして事実なし」。記録されないものはいつか消えていくと。事実として存在するためには、記録されなければいけない。そういうことを我々はやっているんだとずっと言ってました。それは僕も非常に重要なことと思っています。インターネットで流しているだけでは残っていかない。それを作品としてまとめて、多くの人が見られる形にしないと残らないんです。そういうふうに考えているし、そういうことをやるのは我々の役目だと思っているんです。

 東京では辺野古についてはある程度知られていますが、映画を観た人に「高江のことを知っていますか」と聞くと知っているのは3分の1とか半分ですよ。圧倒的に知られていない。だから知らせないといけないし、撮ったものを速攻で出していこうと考えています。

 ※映画「高江―森が泣いている」は9月20日より大阪・シアターセブン、10月15日より東京・ポレポレ東中野と沖縄・桜坂劇場に続いて全国順次公開。映画「辺野古」も全国にて自主上映展開。詳細は「森の映画社」のHPを参照のこと。