杉田 アイリス・チャンも世界抗日連合会のメンバーだったようですが、若くして亡くなりましたよね。

 河添 公には自殺ですが、「他殺では?」との声もずっとくすぶっています。ここで注目しておきたいのは、アイリス・チャンが中国系アメリカ人だったことのみならず、大学院卒の若き才媛だった点です。中国の政治工作は、オンナの使い方がじつに巧みなのです。アピール度の高い美女がリクルーティングされ、適材適所で操られています。チャン女史は、自らの意思というより誰かに指図されてチャイナドレスを着たのではないかと思います。勝負服というか演技服ってことでしょうかね。

 もしベテランのおじいちゃん学者や歴史作家が『ザ・レイプ・オブ・南京』を発表していたら、いくらヤラセ本だったとはいえ、『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストセラーリストに10週間も掲載されることはなかったはずです。アメリカ社会から「中国人女性は、日本軍に酷い目に遭ったのね」的な同情をマックスで盛り上げるためには、「女子力」こそが鍵ということなんです。

 杉田 私も慰安婦問題に取り組むなか、「この問題は女性がやったほうがいい」とよく言われます。性の問題はどうしても「男が強者で女が弱者」というイメージがあります。広める側がそれを巧みに使っていることは徐々に気付いていましたが、「女子力」という視点は斬新です。私がこの1年、奮闘している国連の女子差別撤廃委員会などは、左派女子の世界ですから。
ソウルの日本大使館前の慰安婦像
ソウルの日本大使館前の慰安婦像
 河添 日本人男性は、とくに中国の政治や戦史を考察する際、妻やら愛人やらオンナが何をしていたのか、これがよくわかっていないというか、その視点が抜け落ちているように感じます。現代のハニー・トラップもそうです。中国社会はいつの時代もオンナがじつにうまく立ち回っていて、表に裏に暗躍している社会なのですけれどね。サンフランシスコの反日工作のドンであるファン女史は(この方は80歳を超えたようですが)、メガネの知的美女で、ここ一番のときに、体の線にピッタリのチャイナドレスを身にまとい、中華民族を前面にアピールしています。

 杉田 サンフランシスコのファン女史にまつわる周辺のディープな内容は、新刊の『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)を読んでいただくとして(笑)。

 河添 そうですね。簡単に要約しますと、アジアン・ウィーク社を経営しているファン夫妻は、そもそも中国国民党系でした。しかし、90年代に2代目社長の息子が中国共産党の上海閥の高官の娘と結婚。現地メディアは「国共聨姻」と記し、「ファン家は国民党を食い、共産党も食う」などと報じました。その“予言”どおり、アジアン・ウィーク社は地元の英字メディアを次々と買収、合併していったのです。つまり江沢民派(上海閥)との“密接すぎる関係”で大躍進していったのが、サンフランシスコの抗日戦争記念館の創始者兼館長であるファン家族なのです。

 ファン女史は、2000年1月に北カリフォルニア州中国和平統一促進会をサンフランシスコで創設。その名誉会長という立場で同年8月、欧州で開催された全世界華僑華人中国平和統一促進大会に出席して、「中国と台湾、両岸の平和統一のために支えます。統一してこそ中華民族が飛躍し、21世紀を華人世紀にするという理想を実現させることができます」と発言したと、中国語メディアに記されています。