無党派層が起こす4つの投票パターン


 無党派層が増加したとはいっても、選挙時には、有権者が政党の選択をすることになる。したがって、選挙時になると、無党派層の比率は下がる傾向にある。
東京都知事選の候補者の街頭演説を聞く人たち=7月24日午後、東京都内
東京都知事選の候補者の街頭演説を聞く人たち=7月24日午後、東京都内
 無党派層の選挙時の選択は、

 第一に、その時の争点に反応して、政権政党に投票するパターン。2005年の第44回衆院選では、「郵政民営化」「官から民へ」のスローガンのもと、小泉純一郎首相が衆議院を解散して民意を問うた。結果として、投票率は比例代表で2003年衆院選の59.81%から67.46%へと上昇し、無党派層が自民党に多く投票し、自民党は296議席を得た。

 たとえば、読売新聞社が行った出口調査では、無党派層は、全体の19%、無党派層が比例選で投票した政党は、自民党32%、民主党38%。民主党の方がリードしているが、同社の2003年の衆院選での出口調査では自民党21%、民主党56%だったので、自民党が11%上昇、民主党が18%下落。これが、自民党圧勝の大きな要因となったと見られる。

 第二は、政権政党への批判票を無党派層が担うパターン。2009年の第45回衆院選では、政権政党だった自民党への不満が、民主党への期待に転化され、「政権交代」の大きな民意の中で、比例代表の投票率は69.27%。第44回の67.46%からさらに上昇し、無党派層が大量に民主党に投票して、民主党が308議席を得た。

 同じ読売新聞社の出口調査では、無党派層は、全体の21%を占めていたが、無党派層が比例選で投票した政党は、民主党52%、自民党16%で、36%もの差がついた。第44回と比較して無党派層が民主党に投票した割合が14%上昇したのに対し、自民党は16%下落した。

 第三は、新自由クラブ旋風のときと同じように、新しくできた政党に期待して投票するパターン。2009年に結党された「みんなの党」は、自民党や民主党の既存政党とは異なる「第三極」として注目を集め、2013年の第23回参院選では比例代表で470万票以上を得票し、4議席を得、選挙区と合わせて8議席を獲得した。

 読売新聞社の出口調査では、無党派層19%のうち、比例選でみんなの党は23%の自民党に次いで、15%を得ている。維新の会(15%)、共産(12%)、民主(11%)を上回る支持を得たことが、躍進の一つの要因となった。

 第四は、投票に行かず、棄権するパターンだ。政権支持、政権批判、新しい政党への期待共にインセンティブが働かないときは、真っ先に無党派層の棄権、投票率の低下という結果になる。