簡単に言えば朴槿恵の脇が甘かった。側近なんかも信用し過ぎて裏切られたんでしょうね。朴槿恵は秘書官をすべて切ってしまったみたいで、新たに来た人たちがどれだけ彼女を支えられるか、その人材の確保は難しいと思います。今はほぼ孤立状態にあるわけです。

 普遍的なことですが、権力者は側近から良いことしか聞かないので判断が鈍るんです。だから権力を持った者が最も気をつけなければならないところを朴槿恵が手抜かりをしたということなんです。

 朴槿恵は元大統領の娘ですが、やはり精神的に弱かったということ。両親を早く亡くした上に結婚もしていない。不安ばかりが募って崔氏という女に頼り切ってしまったのは理解できます。まあ、所詮、朴槿恵は権力者になるべき人物ではなかったということでしょう。

 今回の問題でやっかいなのは、この混乱を利用しようとする勢力が韓国内には必ずいるという現実です。韓国国内で北朝鮮に関わりを持つ勢力がここぞとばかりにつぶしにかかり、北朝鮮の勢力拡大に一定の役割を果たすんです。

 もちろん北朝鮮シンパの野党も活動を活発化させます。今、大統領の責任を声高に訴えているのは、どうもそういった勢力のようです。やはり完全な権力闘争ですね。これだけの事態になると、次の選挙に大きく影響し、結果的に北朝鮮に利する政権が誕生してしまえば最悪の事態といえるでしょう。

 そして北朝鮮は必ずといっていいほど、つけこんでくるはずです。朴槿恵の騒動でせっかく弱り始めた北朝鮮の台頭を後押しするようなことになれば、それが一番罪深い失敗ということになります。
弾道ミサイルの発射実験を視察する金正恩氏(朝鮮中央通信=共同)
弾道ミサイルの発射実験を視察する金正恩氏(朝鮮中央通信=共同)
 朴槿恵の残りの任期は1年4カ月ほどあり、大統領を辞任しない限り弾劾されないため、なんとかのらりくらりと大統領を続けるでしょうが、任期満了後は訴追されることも考えられます。

 この間に落ちた支持率を上げるために、「反日」色を強めて国民の意識をまとめるのではという懸念については、今回のような事態にまでなれば、そんなことしても無駄ですね。もう完全にターゲットが朴槿恵になっているので、野党は次の政権を取りに来るわけですから。ここで「反日」を使っても効果はほとんどないでしょう。