朴大統領は収拾策として青瓦台(大統領府)の人事を一新している。これで収まらない場合は、次に内閣改造に踏み切るだろう。また与党「セヌリ党」をまとめるために党籍離脱にも応じるかもしれない。次期大統領候補の選出に関与させないため非主流派(非朴槿恵派)は朴大統領に脱党を迫っているからだ。さらに、挙国中立内閣の要求を呑む可能性もある。
韓国大統領府の正門=1日、ソウル(聯合=共同)
韓国大統領府の正門=1日、ソウル(聯合=共同)
 与野党が合意して中立内閣を組閣し、選出した新総理に大統領の権限を委譲させる。この場合、朴大統領は国家元首という象徴的な存在に留まることになる。任期終了の2018年2月までお飾り的な存在になることに抵抗はあるかもしれないが、弾劾や退陣に追い込まれるよりもベターな選択だ。

 仮に与党の要求を拒否すれば、40人近くいる非主流派が造反する可能性もある。国会(300議席)で多数を占める野党に仮に与党から29人が離反し、同調すれば、3分の2の多数(200議席)で弾劾が成立してしまう。盧武鉉大統領が過去に弾劾にあった前例があるだけに可能性はゼロではない。

 大統領弾劾訴追案が可決されれば、可否を審議する憲法裁判所の判断が出るまで大統領の職務を一時停止しなければならないし、憲法裁判所が国会決議を有効と認めれば、韓国史上初の任期途中の辞任となる。まさに「ウォーターゲート事件」で辞任したニクソン大統領の二の舞になる。

 挙国中立内閣は当然、野党が同意しなければ成立しない。しかし、そもそもこの案は第一野党の「共に民主党」と第二野党の「国民の党」が揃って真っ先に主張していたものだ。従って、野党が賛成すれば、朴大統領は受け入れざるを得なくなるだろう。

 というのも、仮に国会での弾劾を防げたとしても、今は朴大統領に弾劾や下野は求めてない野党が一転、朴政権退陣の院外闘争に打って出る可能性もあるからだ。野党が街頭に出て市民主導のデモに合流すれば、2万人でスタートしたデモの規模は大規模なものになるだろう。それが連日続けば、退陣に追い込まれる可能性もある。

 弾劾も、退陣も避けたいならば、結局のところ挙国中立内閣を受け入れざるを得ない。今の15%前後の低支持率では18年2月の任期まで持たないからだ。

 与党が一転、挙国中立内閣に舵を切ったことから、事態が収拾するか、エスカレートするかは、朴大統領がこの案を受け入れるかどうかにかかっているようだ。
(参考資料:「死に体」の朴大統領 弾劾か?下野か?居座りか?)